近未来を予言する

スタイリッシュ・SFサスペンス

 

 「ガタカGATTACAは1997年のアメリカ映画で、遺伝子操作により管理された近未来の世界を舞台としている。映画の詳細は次回のブログに譲るとして、今回はこの映画を活用した生命倫理の授業を紹介する。この授業で生命倫理のなかでも「デザイナー・ベイビー」の問題や生殖医療について具体的に取り上げて、生徒が自分の考えを発展させていく過程に注目したい。

 

 この授業は全6時間を想定している。時間配分は以下の通りだ。

 

 最初に講義形式のオーソドックスな授業を行う。宿題として事前に授業範囲の動画を視聴させて、講義形式の授業は極力コンパクトにまとめたい。

 次に「ガタカ」を視聴させる。全部で約106分あるので、1時間平均でだいたい35分だ。最後の時間(全体の5時間目)は映像だけでは時間が余ってしまうので、視聴後に全体の6時間目で行う紙上討論の基礎となる文章をさっそく書かせる。それは以下のような問いだ。

「GATTACA」の世界では、産まれてくる子供の遺伝子を操作することで、その子に優れた知能と体力と外見を与えることができます(デザイナー・ベイビー)。しかし、そうでない自然な方法で産まれた子供との間に厳しい社会的な差別があります(好きな職業が選べないなど)。


Q1.もしあなたがGATTACAの世界に生きているとしたら、子供を残す方法としてどちらの方法を選びますか?

 遺伝子操作をする/しないを選択させて、その理由を記述させる。

 

 紙上討論とは文字通り紙の上で討論を行う活動をいう。そのため次の問いは、

Q2.配られた文章は、このクラスの誰かが書いたものです。この文章を読んだ感想とその意見に対する反論を書こう!

というものだ。事前にQ1を書かせた文章を回収しておいて、この時間にシャッフルして配布する。そして配られたプリントに書かれた意見に対する反対意見を書かせる。そして、

Q3.自分の意見に対する反論が書かれた用紙が戻ってきましたね?では、その反論に対して再び反論をしてみてください。

自分の書いたプリントが手元に戻ってきたところで、再反論をさせる。最後に、

Q4.合計で3つの文章を書いてもらいました。ここまでの感想を述べてください。

 

 以上の活動は、すべてのプリントをルーブリックで評価して、成績に加味する。