夕焼けの、決斗
1年目の教員は、定期的に初任者研修という研修に行かされる。そこでは県の方針に沿った研修が行われるのだが、そのなかで印象的だったのは、研修そのものよりも集められた初任者たちとの交流であった。どの場面でかは失念してしまったが、どこかでウルトラセブンを使った道徳の授業をやってみたい、もしくはやってみたという話を聞いたことが、今回のブログのネタ元になっている。
ウルトラセブン第8話「狙われた街」は、ウルトラセブン全48話中、最高傑作と名高い名作だ。第8話の舞台となる町では重大怪事件が多発していた。調査を行う地球防衛軍のモロボシ・ダン(ウルトラセブン)は、事件のキーアイテムである宇宙人が仕組んだタバコに行きつく。このタバコには赤い結晶体がはいっており、この結晶体を吸い込むと周りの人が敵に見えて、吸った本人は理性と感情のない殺意をもった人間と化してしまうものであった。赤い結晶体のタバコの出所を突き止めたモロボシ・ダンはアパートに乗り込み、宇宙人メトロン星人と夕暮れのなか対面する。話し合いが決裂すると、メトロン星人は巨大化してウルトラセブンと対決。そしてメトロン星人はウルトラセブンに敗北する。そして最後に、セブンの勝利を称えつつも痛烈な皮肉が混じったナレーションが流れて物語は幕を閉じる。
(あらすじはピクシブ百科事典を参照にまとめた)
最初に簡単な説明を行ってから、さっそく本編を上映する。この際に問題となるのが、クラスの分だけディスクを準備できるかという問題だ。録画したものを複製すればことは足りるであろう。しかし録画したデータをもっていないので、Blu-rayを購入して使用しようと考えているので、体育館などで学年全体にむけて上映することになるだろう。
本編を観た(30分程度)後、残りの20分程度は教室で以下のプリントを活用しながら授業する。
本編の象徴的なシーンである夕焼けの四畳半でちゃぶ台を挟んでモロボシ・ダンとメトロン星人が対面するシーンの会話と最後のナレーションを文字におこしてプリントに掲載した。
最初に簡単な内容の確認ということで、メトロン星人の作戦を確認する。空欄には「信頼」と「自滅」という言葉がはいる。
次にQ2として、「人類はいまどの程度お互いのことを信頼し合っているか」という発問をする。ここでは人類全体の信頼関係がどれくらい構築されているかをパーセンテージで表現させる。そしてグループで話し合わせて、最終的にグループで合意した数字とその理由を発表させる。
最後に「人類がいまより10%お互いのことを信頼し合えるようになるためにはどうすればいいだろうか」という発問をする。何事もいきなり100%は難しい。自分の周りを少しずつ変えていくだけで、世界はほんの少しでも良くなるということに生徒が気づければ、この授業は成功したといえるだろう。この部分については個人ワークでもグループワークでも残りの時間をみてどちらでもいいと思う。
余談になるが、人類がお互いに100%信頼できている社会とはどのようなものだろうか。またその裏付けというか、根拠はどのようなものになるのであろうか。アニメ「サイコパス」や伊藤計劃の小説「ハーモニー」に影響されすぎかもしれないが、そんなことを少しだけ考えた。
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