9月のことになりますが、映画「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」を見てきました。






社会派の写真家であるセバスチャン・サルガドがこれまで撮ってきた作品の数々や、
彼を追うクルーが撮影した映像が、白黒とカラーとでまざりあい、
ナレーションがのせられている作品です。

人口の移動をテーマにして、アフリカのサヘル地域、ユーゴスラビア、ルワンダなどなど難民キャンプを撮影していた時期から、肉体労働者を撮影していた時期を経て、近年は自然を撮影しているそうです。

あまりにも悲惨な難民キャンプや紛争地域の写真は心を重くしますが、
彼の写真に写し取られている人々は生きている人はもちろん、亡くなっている人でさえ
生命を感じることができます。

今、この瞬間も地域は違っても同じような現状があると思うと、
どんどん辛くなってきてしまいます。
最近は、普通の生活を送れることに感謝しつつ、
あえて強い意志を持って日常生活をおくろうと思っています。

セバスチャン・サルガドの撮影対象が
地域の記録、社会的弱者の告発などから風景へ変化していくのは
世田谷美術館で開催されていた展覧会 写真家濱谷浩にも通じるものを感じました。

最後にセバスチャン・サルガドが荒れてしまった森を再生していく様子が
映像で映し出されます。その風景に救われた気持ちになる作品でした。




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