山口県光市で起きた母子殺害事件。事件が起きた当時、そしてその後も裁判のたびに大きく報道されてきたので、被害者のご主人・父親である本村洋さんの姿とともに覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この本は、長年彼を取材してきた筆者が、裁判の裏側や本村さんの心境について綴ったものです。
テレビで見ているだけでは分からなかった、本村さんの事件、10年近い裁判、法律、世間との闘いが伝わってきます。

事件直後の、喪失感、そして怒りと絶望。
周囲の人に支えられ、闘い続けていく本村さん。
彼は、自らにふりかかった事件により、初めて少年法の壁という存在を知ります。しかし、すばらしい刑事さんや検事さんとの出会いがあり、また以前から活動していた犯罪被害者の会との出会いにより、泣き寝入りするのではなく、戦っていくことを選びます。
当時、あの若さでこれだけのことをするなんて、すごい人だと思っていましたが、その背景には周囲の人たちや多くのサポートをしてくれる人たちとの出会いがあったことが分かりました。
彼が会社を辞めようとしたときの勤務先の上司が言った、「社会人として労働して、納税して、発言をしなければいけない。そうでなければただの負け犬の遠吠えになる」という言葉。本当にすばらしいものです。
彼は、事件の裁判と同時に、報道のあり方にも疑問をなげかけました。ただこれは、その後もそんなに状況は変わっていない気がします。
いつも事件が起きるたびに、犯人が捕まるまでは、本当に細かいことまで被害者の過去が報道されています。被害者のあれこれって報道する必要があるのでしょうか。時に、犯人がなかなか捕まらない事件のときに、被害者の過去にちょっとでもよくない(と思われる)ことがあるとそれが原因かのように、まるで被害者のかたが加害者のように伝えられることもあります。
加害者は未成年だと名前は隠されますが、被害者には関係ないようです。今回の千葉県でのお母様が殺害され、娘さんが監禁された事件もそうでした。娘さんの名前はあんなに報道されなくてはいけなかったのでしょうか。
亡くなられた方の尊厳は守られるべきだし、幸いにも生きていらっしゃるなら、その後長い人生を歩むこと考えて欲しい。ちょっとした思いやり、人の気持ちへの想像力だと思うのですが、これらがかけてしまうことが多い気がします。
今週、紹介した3冊は、偶然続けて読んだのですが、
一見テーマが違うように見えて
人の心の深いところにあるものについて考えさせるという点でつながっている感じがしました。
そして、そういう本を続けて手にしたことにも、
なんともいえないご縁を感じたものでした。
この本は、長年彼を取材してきた筆者が、裁判の裏側や本村さんの心境について綴ったものです。
テレビで見ているだけでは分からなかった、本村さんの事件、10年近い裁判、法律、世間との闘いが伝わってきます。

事件直後の、喪失感、そして怒りと絶望。
周囲の人に支えられ、闘い続けていく本村さん。
彼は、自らにふりかかった事件により、初めて少年法の壁という存在を知ります。しかし、すばらしい刑事さんや検事さんとの出会いがあり、また以前から活動していた犯罪被害者の会との出会いにより、泣き寝入りするのではなく、戦っていくことを選びます。
当時、あの若さでこれだけのことをするなんて、すごい人だと思っていましたが、その背景には周囲の人たちや多くのサポートをしてくれる人たちとの出会いがあったことが分かりました。
彼が会社を辞めようとしたときの勤務先の上司が言った、「社会人として労働して、納税して、発言をしなければいけない。そうでなければただの負け犬の遠吠えになる」という言葉。本当にすばらしいものです。
彼は、事件の裁判と同時に、報道のあり方にも疑問をなげかけました。ただこれは、その後もそんなに状況は変わっていない気がします。
いつも事件が起きるたびに、犯人が捕まるまでは、本当に細かいことまで被害者の過去が報道されています。被害者のあれこれって報道する必要があるのでしょうか。時に、犯人がなかなか捕まらない事件のときに、被害者の過去にちょっとでもよくない(と思われる)ことがあるとそれが原因かのように、まるで被害者のかたが加害者のように伝えられることもあります。
加害者は未成年だと名前は隠されますが、被害者には関係ないようです。今回の千葉県でのお母様が殺害され、娘さんが監禁された事件もそうでした。娘さんの名前はあんなに報道されなくてはいけなかったのでしょうか。
亡くなられた方の尊厳は守られるべきだし、幸いにも生きていらっしゃるなら、その後長い人生を歩むこと考えて欲しい。ちょっとした思いやり、人の気持ちへの想像力だと思うのですが、これらがかけてしまうことが多い気がします。
今週、紹介した3冊は、偶然続けて読んだのですが、
一見テーマが違うように見えて
人の心の深いところにあるものについて考えさせるという点でつながっている感じがしました。
そして、そういう本を続けて手にしたことにも、
なんともいえないご縁を感じたものでした。