こんにちは。
 
今日から日々の健康について少しづつ皆さんと共有していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
 
第一回目は、「先人たちの生活の知恵」
ついてお話しします。
 
 
みなさんは年末年始には美味しいものをたくさん飲んだり食べたりしましたか?
ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりした方もあったのではないでしょうか?
 
そんなお正月後の体調を整える助けになる、古来からの日本の風習と食べ物があります。

 

 

  一年の無病息災を願う「七草粥」

 

松の内の最後の日でもある1月7日に一年の無病息災を願って食べる「七草粥」ですが、なぜこの日にお粥を食べるのでしょう?
これにはきちんと意味があり、先人たちの生活の知恵と無病息災に対する願いが込められています。
この風習の起源は古代中国です。
その昔、中国では元日から6日までにそれぞれ鶏・狗(いぬ)・猪・羊・牛・馬などの動物に見立て、「人」を占う日である7日は処刑を行わない日としていたため「人日」と呼び、この日に新年の運勢を見立てていました。
七草粥はその行事で食べる儀礼食でした。人の日である1月7日に七種類の若菜を入れた汁物を食べて無病息災や立身出世などを願う風習があり、これが奈良時代の頃日本に伝わったのが七草粥の由来とされています。

 

1月7日は「人日(じんじつ)の節句」という五節句のひとつにあたり、江戸時代に五節句が定められたことによって広く浸透していった七草粥ですが、早春にいち早く芽吹く春の七草の生命力にあやかって無病息災を祈り、冬場に不足しがちな野菜を食べて栄養補給したりお正月におせち料理やお酒などを楽しんだあとの体をいたわるということもあり、人々が大切にした慣習だとも考えられています。

 

 

 

  「鏡開き」

 

「鏡開き」という言葉については諸説があります。

 

武家ではお正月に男性は具足(鎧兜などの甲冑)を飾って鏡餅を供え、女性は鏡台に鏡餅を供えていた。これらの鏡餅を正月11日に割って食べる習慣があり、これを「鏡開き」といった。

 

武士が出陣の際に味方の気持ちを鼓舞させるために「振舞酒」として酒樽を割ったことに由来している。酒樽の蓋は古来からその丸くて平らな形状から「鏡」と呼んでいたので大勢で酒を酌み交わすことを「鏡開き」と呼んでいる。 

 

もともと武家から始まった行事なので、鏡餅に刃物を使うことは切腹を連想させることから絶対に禁物であり、手か木槌などで割ることにしたが「割る」という表現も縁起が悪いことから末広がりを意味する 「開く」を使って「鏡開き」というようになっていった。
剣道などの武道で新年の道場開きに鏡開きとしてお汁粉を振舞ったりするのはその名残り。 などなど…

 

お米からできる日本酒は神聖なものとされ、神事を営む際には神様に供えられ、祈願が済むと参列者で酒を酌み交わして祈願の成就を願う風習があります。ここでも縁起の良い「開く」という表現を使っています。

神社に供米や薦被りが寄進されているのを見ることがありますが、あれですね。

 

鏡餅の鏡開きも樽酒の鏡開きも、新たな出発に際して健康や幸福などを祈願しその成就を願うという趣旨は同じものです。

 

最近では鏡餅もパックされたものが主流のようですが、ひな祭り、端午の節句、七夕、十五夜のお月見などと同様に「鏡開き」も日本古来の風習としてのちの世にも必ず伝えていきたい大切なものです。

幼稚園や保育園では保護者会の協力で「鏡開き」のお汁粉を園児たちに振舞うところもあるようですが、単に

「お汁粉を食べる日」で終わらないようにその由来も

風習も未来を担う子供たちに受け継いでもらいたいと思います。

 

 

Goin’ Japanesque! ホームページからお借りしました

 

ここでは お正月の「鏡開き」を取り上げたいと思います。新年にお招きした歳神さまが鎮座する鏡餅のお下がりをいただき、割って食べるのが「鏡開き」です。

一般的には1月11日(関西や一部地域では1月15日)に行われます。これは松の内が終わり、歳神さまをお見送りして仕事始めをする区切りでもあるからなのです。

お正月の間、歳神様が鎮座している鏡餅は歳神様がいらっしゃる松の内の間は飾っておき、松の内が過ぎたらお下がりを食べ、お見送りします。

歳神様の依り代(よりしろ)である鏡餅には歳神様の魂が宿っているとされるため、鏡餅を食べることでその力を授けてもらい、1年の家族の無病息災を願います。
鏡餅は歳神様に供え、お下がりを開きそれを食べてこそ意味があるのです。

 

 

 

 

 

  「七草粥」と「鏡開き」のお汁粉の成分と健康への効果、作用

 

「七草粥」

 

セリ…免疫力を高め風邪やインフルエンザを予防するビタミンA。疲労回復に効くビタミンB群。疲労回復を手助けするビタミンC。加えて鉄分も多く含まれているため、冷え性・貧血の症状を和らげます。

 

ナズナ(ぺんぺん草)…セリ同様ビタミンA、B群、C、カリウム、鉄が含まれている他、カルシウムや亜鉛なども含まれています。

 

ゴギョウ(ハハコグサ)…実は詳しい栄養成分が分かっていないキク科の植物。しかし、咳やのどの痛みを和らげる作用があると言われています。

 

ハコベラ…タンパク質が比較的多く含まれ、ミネラルをはじめとした栄養に富んでいます。また、利尿作用のあるサポニン、止血作用のあるクマリンが含まれています。

 

ホトケノザ…高血圧の予防・胃腸の働きを整えます。

 

スズナ(かぶ)…胃腸の消化を助けるアミラーゼ、免疫力を高めるビタミンC、むくみを解消するカリウムなどが含まれています。

 

スズシロ(大根)…スズナ同様、胃腸の調子を整えるアミラーゼ、ビタミンCなどが豊富で、肌を若々しく保つ効果も。また、食物繊維も豊富で便秘の解消に効果があります。

つまり、「七草粥」には整腸作用があるのです。 
七草粥を食べる理由は、主に3つあります。
 ①年末年始の食べ過ぎた胃腸をリセットするため
 ②野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うため
 ③無病息災を願うため
 
「鏡開き」のお汁粉の小豆
 
小豆…ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ポリフェノール、ビタミンB6、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維などを含みます。
小豆には血圧や血中コレステロール値の低下などやむくみ解消、便秘解消、ダイエットなどの効果があります。
 
 
 
先人たちは食品の成分や栄養価の科学的な根拠は理解していなくとも、数々の経験から生活の知恵として健康効果のあるものがなんであるかを理解していたのですね。
美味しく食べて冬場の栄養不足を補う一方で、お正月に食べ物を摂取し過ぎた身体をリセット、解毒(デトックス)もできるなんて、一石二鳥ですね。
 
 
残念ながら今年の「七草粥」や「鏡開き」のお汁粉の季節は過ぎてしまいましたが、来年「ああ、どこかであんな記事を読んだな。」と少しだけ参考にしていただければ幸いです。
 
 
 
 
今後も健康に関するちょっとした話題やヒントになる情報をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。
 
 
 
※七草や小豆に含まれる水溶性の栄養素や成分は、一度に大量摂取しても汗や尿として排泄されてしまうので、その栄養効果やデトックス効果などを期待する場合は、継続的に摂取することが大切です。

一度食べたからと言ってすぐに健康に作用したり効果のあるものではありません。

 

 

 

       

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