最近、気になりだした朝井リョウさんの作品です。

スペードの3



ミュージカル女優、つかさのファンクラブ「ファミリア」を束ねている美知代。大手化粧品会社で働いていると周りには言っているものの、実際は関連会社の事務に過ぎない彼女が優越感を覚えられるのは、ファンクラブの仕事でだけ。ある日、美知代の小学校時代のクラスメイトが「ファミリア」に加盟する。あっという間に注目を集めた彼女の登場によって、美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。
華やかなつかさに憧れを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて夢組のスターとして人気を誇っていたが、最近は仕事のオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。(あらすじより)


辻村深月さんが推薦されていたように、朝井
さんは男性なのに何でこんなにも女性の気持ちが
分かるんだろう??と思いました。

自分だけの優越感、あの子と自分を比べて
しまうこと。
一緒に過ごす人がいない休み時間の過ぎる様子。

3人の女性について書かれているけど、共感
できる登場人物が誰にもいるはず!

話の中でトランプゲームの大富豪をしている
場面が人生を表しているようでした。
周りに手の内を見せずに切り札のカードを
いつ出すか隠し持っている美知代に対して、
「革命はおきない」ってむつ美が放った
言葉にドキッっとさせられました。

人はどこかで革命が起きて自分が優位にたつ
時がくるのを望んでるんだ、って。