プロジェクトのためのフィールドワークで隣町の集落に初めておじゃましました。国道や高速道路や汽車から当たり前のように目にしていた地名。ひとつ道をそれれば、そこには人々が暮らす濃い空気が流れていた。
田んぼで作業する人々、小さく美しい花の駅と公民館、村のお寺と神社、天然記念物のナギの木も。
のどかな村に線路が通って、国道が通って、高速道路が通ったのは最近のこと。その合間に静かに横たわっている村。この激しい変化をこの村はどう感じているのかなぁ。
生命力に溢れた海沿いの森、深い緑と闇は襲いかかってくるように思えた。
田園地帯と海岸が隣り合っていて、日本海には10mごとに表情を変える蒼い島が浮かんでいた。
農道には懐かしい植物が繁っていた。見上げれば山、振り返れば踏切の向こうに海。おじさんが海を眺めていた。
勝手に身近に感じていた場所だったけど、踏み込めば完全にアウェイだった。ビーチや駅名、私はほんの一部しか知らなかったんだなぁ。帰り道でちょっと泣けた。
自分の足で歩き自分の目で見ることを忘れたくない