岡山県の男性は柔らかくて人懐っこかった。
フルーツ屋さん「おとぎ話」のご主人、
いろんな方言を教えてくれはった「アイビースクエア」のホテルマン、
ジャズ喫茶「アベニュー」のマスター。
女性はカラリと明るく気が強く、しっかりものだった。
お邪魔したお店「はしまや」や「杏」のお母さんやお姉さんも
チャキチャキとしてた。
倉敷は、音楽がみんなに開かれた街だった。
ちょっと敷居の高いJAZZ喫茶ですら、とても入りやすい雰囲気。
「おとぎ話」の店内に置かれたアコースティックピアノは
毎日プレイヤーを待ってるんだそうだ。
創造的な街だった。
倉敷帆布、備前焼、マスキングテープ、原研哉、タウン誌「暮らしき」、
そして美観地区にみる美しさへの徹底ぶり。
重伝建に伴う改装、にとどまらない空間プロデュースのセンス!
この街の人々は美的感覚に優れすぎてる![]()
日本で最初の西洋美術館ができた街だからかな?きっと無関係ではないだろう。
宝伝港から犬島へ。
チケットセンターのカフェ、涼しげで居心地のよいインテリア。
テーブルや窓枠が素敵だった。
窓からの海が美しく見れるように、との工夫かなぁ。
精練所の体感型のアート作品もおもしろかった。
もちろん跡地も、それ以上に心に残った。とても怖かった。
家プロジェクトの説明をしてくれた、島のおばあちゃん。
彼女のお話がとても貴重だった。
90年前にできた精練所。煙のせいで今のように緑などはまったくなかった。
犬島はハゲ山で有名だった。石切産業が発達していたこともあって。
当時の塩田は銅のクズで真っ黒になっていた。
根気よく焼いた煉瓦を、根気よく積み上げてつくられた巨大な精練所の施設。
あの時代によくぞまぁつくったものだと、明治時代を振り返る。
精練所は子供の頃、恰好の遊び場だったんじゃ~、と。
笑いをまじえながらも淡々と語ってくれた。
誇らしげにも感じた。
平和な時代になったもんだ、と皮肉にも聞こえた。
この島をとても愛してることは伝わったよ、おばぁちゃん。
岡山市内に戻り、約10年ぶりの喫茶店「キューティパイ倶楽部」。
ギシギシ鳴る廊下もクラシックな階段も変わっていなくて感激![]()
そこから歩いて夢二郷土美術館へ。
雨に降られるもしばらくするとピタッとやむ。晴れの国パワー?
後楽園、岡山城を遠目にみながら、30分ほどで到着。
富士の前で舞う女性の絵「立田姫」、美しすぎてドキドキした。
夢二のことは、もっともっと知りたい。
だから近いうちまた行こう、だいすきな晴れの国








