日本の小説。
それも、時代物のような錯覚を持ってしまいそうな小説。
(文章が、非常に魅力的。漢字の使い方が独特。とても惹かれた)
ちょっと、昔、昭和の時代。
それも、底辺の社会。
残酷で、救いようのない、けれど逞しくもあるし。
タイトルには自殺未遂とあるけれど、恋愛小説じゃありません。
自分の立ち位置、何を大切に生きるか。
自己を見つめ続けて、生きる凄みがあります。
久しぶりに、とてもとても完成された日本の小説を読みました。
大学を卒業し、一流と思われる会社に入社、
しかし、ドロップアウト。
京都に流れ、大阪に流れる。
そして、自分を流民と位置づけ、尼崎に暮らす…。
読み応え、強烈。
生きるむごさを感じます。
けれど、ひとつだけ疑問がわきました。
主人公の独白のなかに、原罪という言葉、罪悪感の源だったという記述。
日本人って、こんな感覚を持つものなのか。
この部分がなければ、どっぷり本の中に入れたけれど。
ちょっと、残念。
おしまい。
※ 夜間の写真って想像するより違う色彩が現れる。
このカジノ付きのホテルもそう。
明らかに異なる怪しいイメージに。
今日の更新の @Lapie.fr は、ビーチから見た夜間のニース国際空港。
灯かりの瞬きが、現実とは違う写真に。ちょっと、びっくり。

