25日①車谷長吉「赤目四十八滝心中未遂」 Merci Madame S.


日本の小説。

それも、時代物のような錯覚を持ってしまいそうな小説。

(文章が、非常に魅力的。漢字の使い方が独特。とても惹かれた)


ちょっと、昔、昭和の時代。

それも、底辺の社会。

残酷で、救いようのない、けれど逞しくもあるし。


タイトルには自殺未遂とあるけれど、恋愛小説じゃありません。


自分の立ち位置、何を大切に生きるか。

自己を見つめ続けて、生きる凄みがあります。

久しぶりに、とてもとても完成された日本の小説を読みました。


  大学を卒業し、一流と思われる会社に入社、

  しかし、ドロップアウト。

  京都に流れ、大阪に流れる。

  そして、自分を流民と位置づけ、尼崎に暮らす…。


読み応え、強烈。

生きるむごさを感じます。


けれど、ひとつだけ疑問がわきました。

主人公の独白のなかに、原罪という言葉、罪悪感の源だったという記述。

日本人って、こんな感覚を持つものなのか。

この部分がなければ、どっぷり本の中に入れたけれど。

ちょっと、残念。





おしまい。







※ 夜間の写真って想像するより違う色彩が現れる。

  このカジノ付きのホテルもそう。

  明らかに異なる怪しいイメージに。

  今日の更新の @Lapie.fr は、ビーチから見た夜間のニース国際空港。

  灯かりの瞬きが、現実とは違う写真に。ちょっと、びっくり。

  25日②地中海パレス