答えを探して考える。 | 瑠璃色の日々

瑠璃色の日々

羅陽の頭の中がダダ漏れる空間


—心はどこにあるの?

って幼い時に色んな人に聞いた。
だいたい胸の辺りを指差す人が多かった。

—心臓に心があるの?

—心の臓器と書くからね。

ちゃんと説明してもらって、あたしは心臓が心を仕舞っているものだと思った。
心臓の音は心の音…
そう、答えを出した。

簡単に言うと間違えているわけです。
心臓の中に心は入ってない。
生きる為に全身に血液を送り出すポンプ、それが心臓だって知って最初の質問に戻ってしまうけれど、もうそれを周りに聞けるほど幼くなかった。

二十歳のある日、恋をした。
二十一歳のある日、恋が終わった。
自分が自分じゃなくなって、がらんどうになってしまった様で、どこかわからないけど、どこかがとても痛かった。
全てが終わって、がらんどうに何かが埋まった時に心の場所に気がついた。

この身体を動かすあたし自身が心なんだと気がついた。
このあたしと呼ばれる個体を動かしている精神、『あたし』が心。
だから傷付く、痛みを感じて苦しむ。

でも一体『あたし』なのはどっちなのだろう?
この身体をあたしと言うのか、この心…精神をあたしというのか。
羅陽という名前は、どちらについているものなのだろう。
死んだ身体を羅陽と呼ぶなら個体があたしになる。
そもそも死んでしまったら精神のあたしはどこへ行ってしまうんだろう?

考えれば考えるほどわけがわからなくなってしまう。