◎祝詞の奏上法(半井真澄)
半井真澄『神職宝鑑』(明治32年3月)に祝詞の奏上法が書かれていますので紹介します。
祝詞を奏するは古書に宣命など微音又は聞ゆる程になどありて神明に奏する言は衆に宣告する者ならねば大声に唱ふべきものに非ず、
或は時として祭旨願意を明白ならしめ参集せる衆人にも満足を与へむとする際に当りては朗読して幽顕に貫徹せしむる事あれども大声を発する時は敬意を欠く恐れあり、能々注意すべし、
神号を挙る所至尊にかゝる言は殊に謹みて之を奏し、我姓名は低音に読むべし、
要領の所は確実にして語尾を明瞭にし、句読を違へず、字訓を誤らずして、間断なからむを要す、
又結尾の一二言を故(ことさら)に高声に引き唱へ、或は節を作りて謡曲に類する奏し方を為すべからず、
或は祝詞を開き心中にて之を奏し声を発せざるもあり、