◎賀茂真淵『宇比麻奈備』序
皇學館大学では、初年度導入教育の一環として「初学び」という科目が設定されています。
http://www.kogakkan-u.ac.jp/html/literature/p05.php
「初学び」の命名は、賀茂真淵の「にひまなび」によると伺ったことがあります。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/niimanabi.htm
同じ賀茂真淵の著作に、そのものズバリの『うひまなび』もあります。
『うひまなび』は、『百人一首古説』の欠点を補うため晩年に改稿したものです。
http://libir.mukogawa-u.ac.jp/dspace/handle/10471/499
どちらが典拠なのでしょうか。『うひまなび』の序文を紹介します。
宇比麻奈備序
古ぬる世々の事をまなばんとするは、深き山に入が如し、
故其はじめをまさしくせざれは、しぎ山のみ霧にまどひ、
行道の責(まけ)にあひて、奥所もしらず成ぬなり、
落たぎつ清き瀬に身滌をし、脚日木の山口を斎ひて、
いさゝけも枉つことにまじこりせず、口まぜゝず、
神なほびの直きを心として、問放見さけ行ときぞ、
天雲の雲ゆうへなる、おく山の眞さか山にも登りたらめ、
しかのぼりては、山の曾支、海のそき、見明らめぬ處なく、
うつしみの世間の事をも、ひとり思ひあきらめたりなん、