鎮花祭(ちんかさい) | laphroaig-10さんのブログ

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◎鎮花祭(ちんかさい)



古来、桜の花が散ることと疫病の流行が関連づけられて考えられていました。そこで、桜の花が散る旧暦の三月、疫病の流行を防ぐために大神(おおみわ)と狭井(さい)の神様が、国の祭祀を司った神祇官によってお祀りされていました。これが鎮花祭(ちんかさい・はなしずめのまつり)です。現在、奈良県桜井市にある大神神社(おおみわじんじゃ)と狭井神社(さいじんじゃ)では、四月十八日にお祭りが行われています。この時、神様に百合根(ゆりね)と忍冬(すいかずら)が献げられます。これらの植物は薬効があるとされ、これにちなんで大阪の製薬会社がつくった薬神講という集まりから薬が数多く奉納されます。ここから、くすりまつりともよばれています。なお、京都を中心に行われる夜須礼祭(やすらいまつり)・やすらい花も、鎮花祭と同様の意義をもつといいます。



【参考文献】

「鎮花祭」(『神道大辞典』平凡社、昭和十二年)

西山徳「鎮花祭」(安津素彦・梅田義彦監修『神道辞典』堀書店、昭和四十三年)

中山和敬『大神神社〈改訂新版〉』(学生社、平成十一年)

柴田実「夜須礼祭」、岡田精司「鎮花祭」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)