◎鳥居(とりい)
神社の内と外とを分ける建造物を、鳥居といいます。多くの鳥居は木や石でつくられています。二本の柱の上に、笠木(かさぎ)、その下に貫(ぬき)とよばれる梁を横に二本通した形となっています。鳥が上にとまったため鳥居となったとも、通り入るという語から鳥居となったともいわれます。古くは、延喜二十二年(九二二)の和泉国大鳥神社の史料でその存在を確認できます。地図で神社をあらわす記号として使用されているように、神社の象徴ともいえる特徴的な建造物です。鳥居をくぐれば、その内側は神様がおられる神域に近くなり、よりいっそう清らかなしずまった土地になるわけです。笠木、貫の反りの有無、柱の太さの変化はさまざまで、多くの形式の鳥居が各地に存在しています。神宮の鳥居は、笠木と貫の反りがなく直線的な形をとり、笠木の断面が五角形となっており、特に伊勢鳥居・伊勢神明鳥居とよばれたりしています。
【参考文献】
森瑞枝「鳥居」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)
近藤豊「鳥居」(安津素彦・梅田義彦編集・監修『神道辞典』堀書店、昭和四十三年)
稲垣栄三「鳥居」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)
「鳥居」(『神道大辞典』平凡社、昭和十二年)