◎神棚のお供え・御水(おみず)
水をお供えするためには、水器(すいき)とよばれる容器を使います。水器は水玉(みずたま)、「みたま」ともよばれます。素焼や白陶磁製で、一般的にはその呼び名のように水玉の形をしています。米と塩と水をお供えする場合は、神前の中央に米がくるようにし、神様から見て左側(向かって右側)に塩を、右側(向かって左側)に水を配置します。また米、酒、塩、水をお供えする場合は、やはり中央に米を配し、次に左右にそれぞれ酒を配し、その奥(拝むものから見て手前)に神様から見て左側(向かって右側)に塩、右側(向かって左側)に水を配します。
*神社祭祀では、水玉ではなく、蓋のない水器を用いる場合もあります。
*「水」の信仰と祭りについては、『自然と神道文化3 水・風・鉄』(共著、平成22年9月、弘文堂)所収拙稿参照。
【参考文献】
高澤信一郎「祭器具」、小野和輝「神饌」(國學院大學日本文化研究所編『神道要語集祭祀篇一』神道文化会、昭和四十九年)
神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成一六年)
西牟田崇生編著『家庭の祭祀事典―神棚と敬神行事―』(国書刊行会、平成十七年)