慰霊鎮魂 | laphroaig-10さんのブログ

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◎東日本大震災物故者慰霊祭詞


*某部署で原案を作文せしものを私に一部改変したるものなり。その部署に私も関与し、原案作成にも関はれり。故に著作権上問題なしと判断し、ここに掲げたり。


是の処を厳の斎庭と祓清めて神籬刺立て招き奉り坐せ奉る去年の禍つ日の荒びに措しく悲しく身失せ坐しし汝命等の御霊の御前に斎主慎み敬ひて白さく、あはれ空蝉の現世ばかり定め無く極り無き物とは言ひつつも幾度も思ひ返しても真実とは思ほえず、今日昨日身健康かなりし汝命等の身上に、かかる災禍起らむとは思ひも掛けぬ事なりき。

去し平成二十三年三月十一日の未刻、汝命等は常日頃と露更も変はらざりしに急に起りし地震に海原は動めき津波巻き返りて襲ひし甚く強き災の勢は如何なる大家も支ゆる術無く忽に傾き倒れ或いは潰れ破れて逃るるに道無く渡るに橋落ち泥水の中に親子兄弟互に見失ひ水に溺れ身罷り給ひしは壱萬伍仟人余の多きを数へ、悼しとも悲しとも言はむ術為さむ業無し。斯くも汝命等の幽世に罷り坐してより以来月日は来経る任に、早くも一年は廻りて忘られぬ其の月其の日とは成りぬ。


故家族親族又常に親しみ給ひし遠き近き人々を始めて神職又神随の道に関はれる諸人等参集侍りて、現世に坐しし当時を偲び奉り御功績を称へ奉りつつ御霊慰めの御祭仕へ奉らむと御前に御饌神酒種々の味物を供へ奉り、汝命等の面影を慕ひ奉り拝み奉る状を平らけく安らけく聞食し諾ひ給ひて、命等諸諸の御霊も幽世に在りても元つ性の清き明き直き御心を顕し給ひて荒び疎び給ふ事無く御心安く鎮り坐せと登慎み敬ひて白す。