◎礼代
礼代を辞書で引いてみました。
「ゐや+しろ」であり、「ゐや」は敬うことです。またこの場合の「しろ」は、その物に相当する物や成り代わる物を表します。
『岩波古語辞典』
ゐやしろ【礼代・礼物】敬意を表わすしるしとして贈る品物。礼物。
『日本国語大辞典』
いやしろ【礼代】(名)相手への礼儀、敬意を表わすしるしとして賜わる物。
『時代別国語大辞典上代編』
ゐやしろ【礼代】(名)敬意を表わすしるしとして贈る物。礼物。
*比較してみますと、『岩波古語辞典』と『時代別国語大辞典上代編』はほぼ同じ意味の記述ですが、『日本国語大辞典』のみ「賜わる物」とあり、逆になっています。「賜わる」という語のは、「上位の者(天皇)→下位の者(臣下)」という場合に用いられますので、この説明は誤りだと考えられます。