タイコップの襲撃にあってから、約1年後、
僕らは、グランドキャニオンを目指し、赤いオープンカーを走らせていた。
ただひたすらまっすぐ続く道を、ただひたすら地平線を目指しながら。。。
ようやくちょっとした集落に付き、いつものように、
適当に見付けた古びたモーテルを今日の宿に決めた。
ふと、酒が飲みたくなり、車を走らせ、バーに向かった。
そこはいかにもアメリカといった感じのプールバーだった。
そして、大きなプロジェクターで野球が流されていた。
どちらかのチームがヒットを打つ度に歓声があがる。
ここは野球好きが集まるスポーツバーで、地元のチームを応援しているようだ。
アメリカっぽくてなんかいいなと、ひたっていられたのもこの瞬間までだった。。。
横幅もしっかりある190cmオーバーの若い兄ちゃんが声を掛けてきた。
何いってるかさっぱりわからないが、なんか苛立っているのは感じた。
よくわからないが、とにかくデカい奴が怒ってるのは恐い。
ようやく聞き取れた!
「お前の帽子、なんだよ!」的な感じだ。
あっ・・・今・・・俺・・・ニューヨークヤンキースの帽子被ってる。。。

要はあなたの応援しているチームの敵ですか。。。

要は僕はあなたの敵ですか。。。

とにかくデカイ!
しかも明らかに泥酔モード。
それから30分しっかり絡まれた。。。
たまたま居合わせたアメリカおばちゃんに救出され、
経過は省略して、そのアメリカおばちゃんとのビリヤード対決が始まった。
結果は完敗。。。
いい感じに酔っ払った僕らは、車のエンジンをかけ、アクセルを踏んだ。
そこからまたいつものようにスローモーションが始まった。
向こうからパトカーが来る。
だんだん時間の速度が遅くなる。
ゆっくりゆっくりと、ときが流れ、アメコップとしっかり目が合って、パトカーとすれ違った。
もしかして、お咎めなし??ついてる!!
と思い、前後何十キロと車が走っていないだろう夜中の道で、アクセルを踏み込んだ。
バーからモーテルはすぐ近く。
車を少し走らせ、モーテルまであと100メートル。
ここは砂漠地帯のど真ん中。
そう、灯りなんてものは、ひとつもない、はず。。。
でも、なんかキラキラしてるのは気のせいかな。。。
青と赤の光が交互に入り混じる。
??
バックミラーを見ると、より鮮明に青と赤のネオンが映っている。
あっ、さっきすれ違ったパトカーだ!
車はモーテルに着いた。
パトカーもモーテルに着いた。
アメコップがパトカーを降り、こっちに向かって歩いてきた。
しかも、念のためだろうか、右手はいつでもガンを抜けるように腰辺りでキープしている。
こうなったらやるしかない!
(つづく)