過去の雑誌に、株式会社堀場製作所会長 堀場雅夫さんの記事が載っていました。

以下は、一部抜粋です。

 

 私たちは日本という国に生まれました。誰も選んで生まれてきたわけではありません。この豊かに国に生まれてきたことを、もっと噛みしめることだと思います。

 人間が真にパニックに陥るのは二つの状況だけです。一つは食べるものが何もないという時。もう一つは死にたくないのに殺されるかもしれないという状況の時です。戦中派の人間はその両方を体験してきました。私も死ぬまでに一度でいいから、白いご飯を腹一杯食べてみたいと思っていたものです。

 今の日本でそんな状況はありません。食べ物は溢れているし、総理大臣や社長を批判したって殺されるわけでもない。防空壕の中で怯えることもない。でも、世界にはまだそういった国がたくさんあります。が死の恐怖に脅え、明るい未来が全く見えない。幸福とは何かなどど考える余裕もない。生きていることだけで精一杯なのです。

 そういうことを考えたら、日本という国に生まれたというだけで、もう90点は取っているようなものです。

 ボヤいてばかりいる人生なんてつまらない。せっかく素晴らしい環境に生まれたのだから、おもしろおかしく生きたい。そのためには、今自分の目の前にあることに本気になることです。本気でやってもつまらないものなど、この世にはないはずですから。

 

 私は、堀場さんの著書を読んだことはないのですが、仕事が嫌だ、会社が嫌だと文句を言うのなら、辞めてしまえばいい。ただし、辞める前に本気になって取り組んで、それでも自分には合わないと思ったら辞めてしまえばいいと、当時のインタビューでは語っておられ、『イヤならやめろ!』などの著書にもパワフルに書かれているようです。Amazonで検索すると、タイトルのガツン!と大きな文字が目の前に飛び込んできます。読む前から、真剣に、でもおもしろくと気迫迫るエネルギーに溢れています。

 本気にならないと、必死で取り組まないと、物事の面白さなんか分からない、他人のせいにして中途半端にしてぼやくななど熱く語っていて、喝を入れてくれるような人だなと感じました。