LA VILLE LOUVRE
邦題 「パリ・ルーブル美術館の秘密」
「ぼくの好きな先生(etre et avoir)」の監督、ニコラ・フィリベールによるドキュメンタリー。
普段は見ることのできない、美術館の裏側で働く人々の日常をおさめた作品です。
解説やはっきりとしたストーリーがあるわけではないので、単調に感じる方も多いとは
思いますが、美術館そのものや、フランスが大好きな方にはおすすめ。
(名画の謎ときなどは一切ありません)
まだ夜も明けきらない薄闇の中で、何かの儀式のように運び込まれる美術品。
青い作業着を思い思いの方法で身につけ、力仕事でありながら繊細さも求められる
仕事をこなしていく人たちの表情には、一級の美術品を扱っているという自負と誇りが
感じられる。
迷路のような地下空間には何か不可思議なストーリーがひそんでいそうだし、
表舞台に出ていない控えの美術品たちは何か物言いたげに作品番号を首にさげている。
食堂もあればジムもあり、火災訓練もやれば救護訓練もやる。
まさにひとつの「都市」と形容しうる世界最大の美術館には
表の主役である美術品たちの陰で、彼らを支える「市民」たちが存在する。
もちろん、どんな場所でも表舞台と裏方の区分けはあるのですが、
それが映画になってしまうのがさすがルーブル、さすがおフランス。
フランスって、「お」がつく唯一の外国ですよね。
日本にとってのフランスのイメージは、やっぱり憧れの花の都なんだなあ。
でもこの映画を観れば、フランス人もふつーだなあ、むしろ日本人のがすごくないか?
と思うかも(笑)