北海道のロックフェスティバル"Rising Sun"に行ってきたのでその感想を記す。行った人は最高の思い出が思い出せるような、行けなかった人は想像で楽しめるようなブログになったらいいなと思っています。読んでくれている人ありがとう。

 

※本ブログは盛大にネタバレを含んでいます。今後夏フェスに参戦する予定の方で、中身を詳しく知りたくない人は読まない方が良いかもしれません。

 

 

 

概要

 

Rising Sun Rock Festival 2023 in Ezo 

@北海道石狩市 石狩湾新港樽川ふ頭横特設ステージ

単番

 

 

Setlist

 

リハーサル Véranda ことほぎ

1. ロックスター 2. 私小説 3. Véranda 4. 夜行バス 

<Short MC> 5. バースデイ 6. comedy 

<花瓶発声練習> 7. 花瓶 8. ことほぎ 9. 鯨の子

 

 

Support band members

 

Gt. 庫太郎 Key. 奥野大樹 Ba. 是永亮祐 Dr. 澤村一平 

 

 

感想

 

 2023年8月11日~12日に開催された北海道最大のロックフェスティバルRising Sun Rock Festival 2023 in Ezo (通称:RSR2023)にTeleが出演したのでその感想を記すことにする。”Rising Sun(日の出)”の名の通り、開催2日目となる8月12日のイベント終了は29時(翌5時)であり日の出を迎えることができるフェスである。

 

 会場は青く澄み渡る快晴。夏は憎い太陽も、心地よく感じる。北海道特有のだだっ広く開けた会場の景色。暑いながらも時々来る潮風は心地いい。そこに集まるバンドファンたちに煌めく汗。フェス飯の匂いの誘惑と、見たいバンドへの執念。各々の気持ちが前面に現れたグッズは、知らない人との絆を深めあう。テントサイトでビールを飲みながらバンドを眺める夫婦と、前へ前へと繰り出し大声を出す若者たち。老若男女問わずすばらしさを分かち合える音楽がそこにあった。

 

 そんな最高に素晴らしい会場に関するクサい詩は放っておいて、本題に入ります(笑)。大好きな会場だったから許して。Teleは2日目の14:20~と、一番アツい時間の出演であった。会場はHyggeステージというところで(読み方も意味もわからん)、地面は芝、お客さんのスペースの後ろにはテントサイトがあった。Teleの出演はこのステージの2番目で前にはReiというアーティストが演奏していた。客席から見て右側でこのアクトを途中から見ていた私がステージの方を見ていると、たまたま舞台袖にノリノリの喜多朗を発見した。ジャンプしてた。いろんなアーティストに出会えるフェスって素敵だなって思う瞬間だね。

 

 リハーサルからウキウキできるのがフェスのいいところの一つである。リハを統率するスタッフと、サポートバンドメンバーたちが音合わせをしている姿がかっこいい。喜多朗が出てくると上がる歓声。Teleですと軽く挨拶をして最初に聞こえてきた曲はVéranda。「練習しよう」の掛け声とともにイントロの手拍子を煽る。歌が始まってからも、「たっ、たっ、たっ、たった」の手拍子を続けるフロアに「ここは普通のクラップがいいな」とはにかむ喜多朗。リハーサルからすでに彼らのショーは始まっていた。ことほぎで、更に音合わせをしたあと「本番もよろしく」と立ち去って行った。

 

 緊張と静寂の時間の後、今回は喜多朗も含めたバンドメンバー全員で登場した。一曲目の「ロックスター」のギターイントロは最高にワクワクするね。"谷口喜多朗率いるTele"ですと一言。"チームTele"って感じがする表現でめっちゃ好き。登場時の挨拶をしているとき、「さっき言い忘れちゃったけど、熱中症には気を付けて楽しんでいってください」って言ってた。リハで言い忘れるのお茶目だし、めちゃくちゃ優しくて好きだなって感じ。そして、"Whoo"のところで高くジャンプしてた喜多朗は最高に楽しそうな顔をしていた。「愛したいものだけ愛せたらいいのにな」でステージ上を駆けているところの表現力、フロアを見て「とっくにお前はさ、誰かにとっての奇跡なんだって」と勇敢に歌う姿、がとても良かった(語彙力の欠如)。

 

 次の私小説は、とにかく楽しかった。「君の悲しみを知らない」で始まるイントロはその場のみんなを笑顔にし、ルンルンに乗らせる力があると思う。個人の感情として、この日はめちゃくちゃ歌詞に入り込んでいた。Teleの紡ぐ生の「サウンド小説」の世界観は、圧巻だった。歌詞中に「緞帳が上がる」とあるけど、その言葉の通りTeleのライブの世界の幕開けを感じられるような歌だなとひしひしと感じる。最後のジャンプの煽りは毎度かっこいい。前日のツイートでTeleは「水曜どうでしょう」について触れてたが、そこにでてくる「試される大地」という表現使ってて好きだった(ここだった気がするけどMCだっけか)。そして楽しくみんなでジャンプしているときの一体感と言ったら感無量だし、気温が暑い夏フェスでは独特な熱気が一体感を増す気がする。きっと、背後のテントサイトをも巻き込む素晴らしい熱気があったと思う。

 

ここで一息ついたんだけど、喜多朗が「元気だね」と一言。めっちゃ盛り上がってたファンたちとしてはすごく嬉しい言葉だったな。リハーサルから聞いてくれてた人は練習の通り、といい始まったVérandaのイントロの手拍子は美しかった。僕自身もかなり久々に聞けて嬉しかった。ロックスターとかVérandaの音源でベースを弾いてる是永さんが、実に楽しそうに縦にリズムを刻みながらベースを弾いている姿が愛おしかった。ギターを持たないこの曲では、ステージを縦横無尽に駆け巡るのが良い。特に、別れを知らない僕らは〜からの流れは実に楽しそうにルンルンで歌うのが好き。「別れを知らない僕ら」を歌わせるファンへの煽りも、聞こえてくる合唱も愛おしい。最後の「おーだ」が囁き声だったの、最高だったね。

 

 次の「夜行バス」は個人的に衝撃的だった。少し大人しめのアレンジで進む1番に対照的に、ギターロック感満載アレンジの2番(眠い時に眠りたいから〜)へ移った時「化けたな」って思ってすごく感動した。ドチャクソにかっこいいギターの音が軽快なリズムに見事に調和した楽器隊の演奏は本当に素晴らしかった。そこで「楽しい時には歌いたいから」という歌詞が歌われた時、ふと自分の置かれた環境の幸せさを深く実感した。そのままこの曲のフィナーレまで掛けていく感じ、まさに夜行バスで夜を明かして、今から知らない街で楽しみが待っている、自分の状況に置き換えると、いまからフェスを堪能させてくれる、新しい出会いへと導いてくれる、そんな思いにさせてくれる曲だった。

 

ここで短いMC。とにかく元気だねと。ほぼMCをせずにたくさん曲をやってくれるスタイルみたい、MCいつもめっちゃ素敵で聴きたいけど、曲が増えるのはそれはそれで嬉しい。次の「バースデイ」では本人もTwitterで触れてたけど、16裏(あんまりよく分からないけど)のクラップ楽しかった。お客さんみんなノッてた。センスいいだって、最高。やっぱり楽器が響く最高の曲だね。あと曲中エフェクター切り替える時の喜多朗の仕草かっこいい。そして、バースデイのアウトロの楽器隊紹介が復活したの嬉しい。それぞれの楽器の方を向いて煽っていく喜多朗最高だよ。それに呼応する楽器隊みんなの表情も熱量も神がかっている。ここから繋がりのcomedyは最近の定番。「自然に身体が動く曲ナンバーワン」のこの曲は、暑いフェス会場をさらに化けさせる力がある。全て喜劇に変わるはずなんだ、で掻き鳴らすギター、最後の「たらったったったった」を歌ってて心地よい会場だったなあって思う。

 

次の花瓶の前の発生練習前。「ぼく頑張らなくてもみんな元気だから大丈夫だね。本当は頑張らないと、って思ったけど。」みたいなこと言ってた。初めての北海道で不安だったのかなきっと。お客さんの僕としてはこの言葉は最大限の褒め言葉として受け取った。「テントに聞こえるくらい大きい声でいきましょう。歌える人は歌ってください、いや全員歌ってください」という言葉と共に始まった「たーたらったたらった」の大合唱は、確実にテントでゆっくりしていた人にも届いていただろう。大人見した人も、来年は前で見たいと思ったんじゃないかなと思う。この途中で喜多朗は、一段前のスピーカーの限界まで前にも来てた。あの会場の一体感本当に幸せ。指揮者喜多朗の下、楽器隊も静止して客だけの大合唱が聞こえてそれが大声なのが最高だね。そして、曲がはじまって「これは俺たちの曲、this is our song, だよね?」と。この「だよね?」がめっちゃ嬉しいのさ。マジで”our song”はやばい、それが似合う花瓶って曲最高。「全部嫌になった」「あーあ」って叫ぶのも楽しいし、しけったフレークで荒ぶる喜多朗も好きだし、割れたガラスの〜のところの合唱にも「いいね」って呟くし、とにかく一体感すごかった。好き。好き。

 

あと2曲ですと言ったあとの「ことほぎ」、もうすぐ終わる悲しさがよぎるがそれを吹き飛ばす楽しさ。とくに、争わずとも〜のところの「ぐいーん」みたいなギターマジでかっこよかった(【求】語彙力)。あのアレンジはじめてだった、最高だよ。あと1番だけ喜多朗ギター持ってなくて途中で渡してもらってた。楽しすぎてギター無しになったように見えた、最高だね。背景僕はきっとの大合唱はやっぱり映えるね。最後の「鯨の子」の感情の乗せ方はやっぱり天才。たまにぼそっと歌う感じが実に合っている。ハイになって行こう!ラスサビのあの表情はいつも通り、またライブに行こうと思わせてくれる。最後の大合唱は有終美と言えると思う。最後別れ際に「生きて会いましょう」と言って行った。祝/呪の開幕は北海道、待ってるよと言われているような感じだった。

 

総じて、北海道は最高な土地だと思う。来年はテント立ててもっと楽しみたいなと思わせてくれた。Teleがでたら、来年もぜひ行きたいなと思う。