中学からの古い友人と、久しぶりに会ってきた。
実に8年振りの再会だった。
この8年の間に、2人とも本当に
色々なことがあった。
だから会えて、ただただ嬉しかった。
彼は今もお酒が好きなので、缶ビールと
とっておきのお酒を準備して持って行った。
そのとっておきの物とは、
100年物のポートワイン。
1887年に熟成され始めたものだ。
しかしボトルは開封済みで、
残りは1/5くらいしか残っていない。
このワインが熟成を始めて100年後、
商品として売りに出された年。
つまり、1987年あたりに私たちは出会った。
100年物であるから、未開封だと相当高い。
しかし色々あって、今は残り1/5しかない。
私たち2人も今まで色々あった。
自分たちの人生とこのボトルを重ね合わせて、
彼に託したくなったんだと思う。
学生の頃の私は、本当にひどかった。
斜に構え、人を全く信用していなかった。
仲間とつるんでいても、
いつか仲間は自分を裏切るだろうと思っていた。
だったら自分の方から裏切ってやれ。
そう思っていた。
そんな人間のクズのような私を
攻撃するでもなく、否定するでもなく、
バカにするでもなく、ただただ受け容れてくれた
のは、2人だけだったと思う。
そのうちの1人が彼だった。
そのことに気づいたのは、
ごく最近のことだった。
こんな大切なことを、最近まで
全く気づいていなかったのだ。
ハンパ者の私が、ハンパなボトルを持っている
というのもある意味笑えるが、そういうものに
区切りをつけたかったのかもしれない。
人生50年近く生きていると、
未開封の新品のままというわけにはいかない。
栓は開けられ、容量はだいぶ減っている。
経年劣化により、中身は酸化し、澱は溜まり、
味は明らかに落ちている。
そんな状況であっても、存在し続けているのだ。
もっと色々話したかったが、時間はあっという間
に過ぎてしまい、また会う約束をして別れた。
彼がこのお酒を飲んで、
どういう感想を言ってくれるのか楽しみだ。

