こころの天下一武道会 2 | 『こころとからだと人と自然と。』

『こころとからだと人と自然と。』

人生5回も死ぬ目に遭えば、否が応でも強く、しなやかになる。
人生を楽しみながら歩く錦ちゃんのブログ。

空が白み始めたころ、ようやくわかってきた。





妹は小さいころから強かったし、しっかりしていた。





僕と妹とは3歳離れているが、僕は体が小さく妹は大きかった。





僕は運動が苦手だったけれど、妹は活発で運動が得意だった。





妹は大学の頃拒食症になり、それがきっかけで自分を見つめ直した。





子供の頃とても寂しい思いをしていたこと、





そして誰も守ってくれなかったこと。





だから強くなるしかなかった。





家族は誰一人としてそのことに気づかなかった。





妹は自分の心を見つめ直し、





そしてうちの家族の根底にある問題に気づいた最初の人だった。





それから妹は心を大事にして生きていく道を選んだ。





家族を大切にしていく道を選んだ。





そうやって生きてきた妹は、自分よりずっと強い人間だと思っていた。





初めから強い人間だと思い込んでいたのだ。





しかし、今までの言葉の数々を思い返してみる。





果たして妹は強い人間になりたかったんだろうか?





本当は妹は強くなりたくて強くなったんじゃない。





誰も守ってくれなかったから強くなるしかなかった。





本当は強くなりたくなんかなかった。





これが妹の本心なのではないだろうか?





そのことに家族が誰一人として気づいていない。





そういう中で妹はどんな思いをして過ごしてきたのだろう。





どんなに悲しい思いを、寂しい思いをしてきたことだろう。





あぁ妹が言う通り、俺は何もわかっていなかった。





わかったつもりになっていただけだった。





何故俺はこのことに今まで気がつかなかったのだろう。





ほんとうにどうしようもない兄貴だ。





僕は涙を流しながら、妹に詫びた。





妹も涙を流しながら聞いていた。





妹の顔はまるで菩薩様のような、とても柔らかい表情になっていた。

つづく

$未熟者でいいじゃないか