涙は、みせない | 中華の足跡・改

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中国から帰り、北海道に暮らしつつ、台湾とつながる生活。

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既に全ての授業を終えた、育櫻日本語学校。

とはいえ、全部の縁が切れたわけではもちろんない。

人と人とのつながり――簡単には切れない。切らせはしない。


最後の記念に、講師陣で一日遊びの企画が出た。

もっとも、今回の企画に関しては、俺はほぼノータッチ。例の日本語の先生と、来期交流会会長達にまかせっきりだった。


昼間は、バーベキュー。

西湖のほとりの木陰の中で。

晴天、そよ風、文句なし。

羊肉の串焼き。手羽。イカ、ピーマン、たまねぎ、とうもろこし、バナナ、もち、などなど・・・。

うん。

いいね。ビールとよく合う。


そのあとは、なぜか百人一首などをはさみつつ、カラオケへ。

何度もいったカラオケだが、案外これで最後になるかもしれない。


一日の遊びが終了し、道具などを置きに一度みんなで日本語学校へ戻った。

さんざん世話になったこの学校・・・思いもよらない最終幕は、この教室で始まった。


一人、空き教室にぽつんと取り残された俺の下へ、一人ずつやってきては手紙を読み上げていく。

なんだろ、このシチュエーションは。

友人たちの想いが、一つまた一つと、心へ刻まれてゆく――。


まだ、最終幕は続く。


次は別の教室にその場のみんなが集まり、なんだか席に着く。

そして、先生が言うには――「最後ですから、記念に、授業形式でやってもらいましょう」。

・・・え・・・?どうしろと・・・?

別の人のフォローによれば、つまり感謝の気持ちをあらわしてみろ、と。

なるほどね、そうきたか。

つまりこのシチュエーションは――泣け、と。

そういうことですか?


・・・うーん期待に添えなくて申し訳ない。

人前では、そう簡単に泣かないのだよ、この俺は。

男の子は泣いちゃいけない、と、そう育てられてきた――というわけじゃないんだけどね、別に。


それでも。

感動したことに、間違いはない。

彼らはそんな俺に、さらに追い討ちをかける。

――数々の思い出の写真を加工して貼り付けてある、オリジナルアルバム。

――そして、「あの歌 」の、合唱。

・・・そこまで、してくれるか。こんな俺に。

どうして、こうまで――この世の中は、楽しいんだ?

俺は――こんなにもたくさんの幸せをもらって、いいんだろうか?


震える心。そして湧き上がる歓喜。そう、このときの俺を支配したのは、よろこび。

天を仰ぎ、両手を広げ、叫びだしたくなるような、このよろこび。

楽しい。楽しい。

――これが、俺の人生・・・!おもしろい、おもしろいぜ!


さあ、叫べ。こころゆくまで・・・。