ドラマ作りから先の表現技法については、小説、漫画、シナリオ、アニメなどどれを取ってもいちいち違ってきますので、今回はそれらの技法については一切言及しません。

で、そのネタ構築部分ですが、最低限必要な基本をここで一度おさらいしておきます。
言わずとしれた、5Wと1Hです。

いつWhen、どこでWhere、誰がWho

この最初のW3は「設定」に関わる部分です。オリジナルならば自分で。パロディならば何か出てる(笑)かも。

☆大切なのはこの先の
何をwhat なぜwhy どのようにHow

この3つです。

まあ、単純にいくなら「何、なに、どうなるの?」でダラダラ続けていくのが演繹法
なんでなんでどうしてそうなったの? と追求していくのが帰納法
前者は文系頭がやりやすく、後者は理系頭がやりやすい。
とはいっても、なかなか凡才にはスラスラとネタなんざ出てきませんやな。
でもソフト面の量産は要求されがちな昨今です。

「逆転」というと反転ばかり考えてしまいますが、要するに項目の置き換えです。
逆にしてみるだけでも随分違ったものになるというだけ。方法は無限にあると思います。

私の場合は、まず「殺人を無し」にした段階で、回想タイプの話はボツ。
そして、先の「高瀬舟」に出てきた、回想へのナビゲーターである同心、
現代版に転じてできた「検事」
これが逆転します。
 話をきいてくれそうな男性→話をきいてくれそうにない女性
裁判に関わる人だから、人を裁いたりしてはいけない立場の人物。
帰納法では冒頭に出したわけだから、演繹法では話の中盤に出す

これ以上語るとネタバレなので(笑)
どうなったかは、公開後にでも。

この方法はかなーり昔に習ったんですが、当時は「そんな姑息な誤摩化しのような手でデッチアゲて作るなんて」
と反感すら持ちました。自分の作ったストーリーは、自分を語るための真摯な手段と思っていた頃です。
そういう手法のドラマもあります。たとえば、私小説やノンフィクション系など
あなたが、どうしても逆は無く絶対、と考えているなら、この方法は無視して下さい。
純粋に才能から生まれたストーリー以上のものは無いです。

では、ちょっと他に例をとってみます。
例えば、「白雪姫」


善いお姫様が/悪い魔女に/騙されて/死ぬが/王子のキスで生き返る

反転させていきますと

悪い王子様が/善良な平民女を/騙して/愛するが/何者か?に殺される

あ、なんかすごくなってきましたな。BLなら平民女でなくても天使でもよかったり。

さて、もう一度だけ、ここで5Wを入れてみましょう。
白雪姫ってありゃ「いつ」「どこで」なんでしょうね? 昔々、ある国で、ですか。
じゃいっそ未来にしますか。

悪い王子=未来世界の悪の支配者
どこで=お好みで…。どっかの星なり、未来の日本なり…

いやもう、その設定は無限にあるかと思います。

また「白雪姫」に移ります。
だいたいの骨格が見えてきたとこで、そろそろテーマについて絞り込んでいきます。

で? 何が言いたいのか。
そういうことになります。
最近ではそれをあんまり明確にしないやり方でもよかったりしますが。
まあ、いろんな人がいろんな感想を持つにせよ、すんなり何かが伝わる部分はドラマの「面白さ」としてあっていいんじゃないかな?

悪い支配者が  ←ここにツッコミを! 入れて下さい! WhyとWhatとで。
何が悪いのか。なぜ悪いのか。
悪いんなら「オレ様のどこが悪い」くらいやらかしてやって!
ここらでだいぶキャラクターを作れるはずです。美形だろうが野獣だろうがメカだろうが
お好みで~。

次はヒロインです。
善良な平民平凡な女を   ここもツッコミです。どうして平凡なの? 平凡さのどこがいいの?
あるいは、善良さって何ですか? 日頃考えていることでいいと思います。
ブスだけど、絶対人は傷つけたりしないわ、でもいい。
何の才能もないけど、人は裏切らない でもいいし、貧民だけど愛を知ってるとか
欲なんて持ってない美少年天使、でもいいかも?
そこはお好きにキャラ設定。

さて、また次です。
「騙して」
たぶらかして、ですか?
ここで話が起承転結の承、になっていきます。
こにも ツッコミを! どうやって?
何でも支配できるはずの悪の帝王が、そんなつまらない女に心を奪われた理由は何だ?

浮かぶならそれに従い、浮かばないなら地道に反転させてみましょう。

白雪姫が/殺される理由は/姫が魔女よりキレイだから(嫉妬)

悪の帝王が/愛してしまう理由は/帝王が平凡な女より劣っているから(尊敬)

あいつだけは従わせたい、何故従わない、だったらどうにでもして従わせる。
卑怯なことをして、お前が従わなければ他の者に被害が及ぶぞと。

白雪姫は城を追い出され、森に連れていかれるので
逆に悪の帝王は城? を自ら出て行き、地位を捨てる覚悟に。
七人の小人が白雪姫の味方でした。
帝王はじゃあ  七人の敵?
正体バレたら、今までのこともあるから八つ裂きにされそうな雰囲気とかね。
身を隠してでも通い続ける。やがて、本当に愛するにはどうしたらいいかに気づく。

さて、物語は転。クライマックス。
白雪姫は死んでしまいます。
悪の帝王はどうでしょう? 逆だから「生きる」んですかね。
生きててよかった。ここテーマですかね。

俺は今まで、誰も愛せなかった。力で支配することが、1番の幸せだと思っていた。
だけど、お前に会って、本当に生きるとはどういうことかを知った

しかし…
そこへ偶然通りかかる「隣の国の王子様」。第三者登場で展開します。

偶然でなくて、必然。隣の国ですか。どっかの星にしたのならどっかの星とか。
今までの罪は消えない。
たとえば、支配者であった時代、もっと厳しくするために自分で作った血も涙もないシステムのせいで
ただの一般人となってしまった自分が殺されるハメになる。とか。
あるいは、第三者を設定してもいいかも。
また、必然にしなくても偶然でも、死によって
それはある意味、必然になるのかもしれません。

そして白雪姫は生きかえり、王子とハッピーエンドに。魔女は死んでしまいました。
帝王は死んでしまい、システムと共に崩壊。平凡な女には関係無いのでした。

ハッピーエンドが、デッドエンドになりましたよ。
他の物語でも色々試せると思います。
フツウにスラスラ浮かんだら、それにこしたことないですが。

/ で区切りましたが、もっと丁寧に起承転結きちんと区切ってやったがわかりやすいかも。
小道具や登場人物については、全て反転でなく「置き換え」だけでもいいかもしれません。
細かい部分の付けたしは、主題を妨げない程度に。
たとえば、七人の敵設定の時、そこばかりあまりにも膨らましすぎると
「はて、誰が主人公?」てことになりかねないので。


悪は必ず報いがあって死ぬとか、悪でも死ぬとは限らず生き残るとか
そこらへんは私にはどうしろと言えません。
常日頃、どう考えているか、それが全てじゃないかと思います。