諸事情により、私には向いていない仕事に数年間就いておりました。

しかし、自分の中での違和感や息苦しさがとてつもなく大きくなり、

もう辞めようと心の中で決心し、最後の業務を終えた頃、

ある書店の一隅で、その出会いは突然やってきました。

 

少し前からフラワーアレンジメントを習っていた私は、花・華道のコーナーへ行き、

何か素敵な本は無いかしら・・?と眺めていると、

その並びに香道のコーナーがありました。

香道は、いつか習ってみたいなぁと思っていましたので、そちらの棚に目を移します。

 

普段からお風呂にアロマオイルを垂らしたり、時々ルームフレグランスを買ったりして、

香りが好きで楽しんではいましたが、アロマテラピーを勉強しようとか

アロマ検定を受けようという気にはなれませんでした。

 

なぜなら、アロマテラピーの本を見ると、

この場合はこの香り、この症状にはこのブレンドというように、

これにはこれ、と決まっているからです。

勿論、化学的な根拠あることは分かりますし、

それで不調が良くなったり、効き目があることは喜ばしいことだと思います。

ですから、アロマテラピーも素敵なものであると思います。

 

ただ、私自身としては、なんだか違うな、と思っていました。

なぜなら、ご存知の方もいらっしゃると思いますが例えば、

リラックスしたいときは、ラベンダーがいいといわれています。

 

でも、実は私は、ラベンダーの香りはあまり好きではありません。

それなのに、リラックスしたいならラベンダーといわれても、

リラックスするどころか、むしろ余計に緊張するのです。

 

そんな私がその香道コーナーの棚のなかに

「香楽」、という一冊を見つけました。

~香りで広がる心のアート  「香楽」~

 

?ん?何?こうらく?

その本を手に取り、ページをめくります。

 

!え!何これ!何、何、何!!!

 

ページをめくる手が止まりません。

結局、その場でそのまま最後まで読んでしまいました。

(立ち読みです、ごめんなさい)

そして、読みながら私の目から涙があふれてくるのです。

(怪しいヒトです)

 

そこに書かれていたのは、真に私が思い描いていた、

私が求めていた世界でした。

 

  ②へ続きます...