もともとエベレストを肉眼でみたいと計画をしたトレッキングだったが、天候の理由からトレッキング初日&次の日もルクラへ飛行機が飛ばず。

ガイドの手配などをしてくれた旅行会社の方も、天候ばかりは予測が立たず。天気予報では、ルクラ&エベレスト方面は、この先1週間ぐらいは雨模様が続くようだった。ただ、天気予報はあくまでも予報なのと、特に山の天気は変わりやすいということで晴れるかもしれないし、その後また雨かもだし、どこかで決断をしない限り、ルクラへの飛行機を待って日が過ぎていく。

結果、ポカラの方は、ルクラやエベレスト方面程、雨が降っていないということで、今回エベレストを見るのは諦めて、ポカラからアンナプルナトレッキングをすることに変更。

しかし、ポカラに到着してみると、ポカラもそんなに天気が良い雰囲気もなく。本当に天候に翻弄されたトレッキングとなった。泊まる場所はロッジとはいえ、暖房もない、ベッドが並んでいる小屋のような部屋。それに、停電でライトもなく、Wifiもなかった...。寒いし、暗いし、インターネットで居場所も確認できず、明日のルートも検索できなかったり...で余計疲れた。また、標高が上がっていくごとに、寒さは増した。スライムスライム

毎晩、もう明日は歩けないかも...と何度も思った。だって、じゃじゃぶり雨まで降っているのだもの。えーんえーん

いつもなら綺麗に見えるはずのアンナプルナサウスやダウラギリ、フィッシュテール、マナスルなどの山々も霧でなかなかお目にかかれず。朝に時々霧が切れる瞬間に「見えた!」、「あ、もう見えない...」という感じ。キョロキョロキョロキョロ

トレッキング開始1日目はトレッキング後半小雨程度でチョムロン村(Chommrong:標高1953m)へ到着できたけれど、2日目は午後2時頃になったらしとしと雨から、レインコートなしでは歩けない雨になり...午前と午後合わせて6時間のトレッキングに、後半は雨の中のトレッキングでほんとにくたびれた。その日はヒマラヤホテル(Himalaya Hotel:標高2873m)まで歩く予定がその途中のドバン(Dovan:標高2600m)での1泊。ヒマラヤホテルまで歩けなかった分、3日目のトレッキング距離が多くなる計算だった。標高2600mのドバンから、マチャプチャレベースキャンプMachhapuchhre Base Camp - MBC:標高3650m)にいくので、登ったり下ったりしながら、標高1000m程上に行くということになった。ガーンガーン

2日目の夜、雨音を聞きながらの夕飯。ヒーターもないから、ほんとに寒くて、何もかもが湿っぽい。3日目の予定を皆で話している時、私はもう駄目かも...歩けないかも...と思った。ゆっくりなら歩けるかもしれないけど、ゆっくりしてたら、明日のMBCまで到着できないだろうし、なるべく早く歩いて、午後雨が降り出す前にはMBCに到着したいところだった。

「あ~~、無理...」
「山を登る人はなぜ山を登るんだろう~」
「登山のいいところはなに?」

なんて思いながら就寝。

でも、朝になったらまた元気になって、朝ごはんもしっかり食べて、なんだか歩けそうな気分。とりあえず、歩けるだけ歩いて、ダメだったらドバンに戻って待機...なんていうプランBも頭の隅に置いてトレッキング開始。

3日目はとてもラッキーなことに、MBCへ到着したとたんに雨が降り出した。雨雨そして、雷雷雷、次は雪雪の結晶雪の結晶。到着後のことで、歩いている時にそうならなかっただけ良いのだけど、寒いし、Wifiが故障中ということで、下界の様子もわからず。 プラス、次の日は、朝5時出発でアンナプルナベースキャンプ(Annapuruna Base Camp - ABC:標高4130m)まで2時間トレッキングし、朝ごはんをそこで食べて、またMBCまで降りてきて、その後、また6時間程かけて昨日泊まったドバンの先のバンブーまで戻るとのこと。

こんなに寒くて、雨風雷雪の夜に、明日の予定を聞いて愕然とした。プラス、ABCまでは雪もあるため、アイゼンを装着してのトレッキング。MBCからABCへ行っての往復4時間。その後バンブーまで歩くのは無理...MBCまで来ただけでも、標高3650m。初めてのトレッキングでここまでこれたら十分と思い、明日のABCは参加せず、その後の6時間トレッキングのために体力をキープ。

 

「あ~寒すぎ...」
「なんでこんな寒いところまで来てしまったんだろう...」
「寒いし、早く寝よう...」

そして、次の日も朝になったらまた元気が出る。5時前に起きれないと思ってたら、案外起きて...ABCに向かうメンバーのお見送り。その後二度寝...と思ったけど、霧がはれて山が見えるのは早朝。結局6時過ぎにはもぞもぞ起きだして、もう一人ABCに行かなかった方と二人、ミルクコーヒーを飲みながら、山々をみつめた。霧が晴れると、巨大な山々が目の前に迫って見える。
 

ここにも神々が住んでいるようだった。

夜は疲れと寒さに嘆いて寝るのだけれど、この朝のために、また私は目を覚ましたんだなぁ~と思った。スター