今日も、岩波ジュニアスタートブックシリーズからの本を1冊ご紹介。このシリーズは中学生向けの学習入門本なのですが、タイトルに惹かれたのと、中学生に向けてこのタイトルで書かれているという点からも興味を持ち、読んでみました。

『なんで英語、勉強すんの?』鳥飼玖美子

一般的には、英語のみならず、国語、数学、理科、社会と…なんのために、学校で勉強しているのか?は、小学生の時も、中学生になっても、高校生でも、なんで??という感じだったり。

特に英語については、読み書きはまだしも、発音だって難しいし、リスニングやスピーキングはもう無理に近し… 日本人で日本に住んでいる分には英語ができなくても、何の問題もなかったりするのに、なぜ勉強するのか。更に最近では良い自動翻訳機もあるし、将来的にはAIによりもっともっと性能も良くなっていくだろうし… で、なんで英語、勉強すんの?

この本では、『英語ができると楽しい』と、まずはじめにあります。BTSは英語でたくさん発信しています。韓国ドラマや映画、様々なものが世界展開を目指して英語での発信を増やしています。英語ではありませんでしたが、私もシンガポールに住んでいた時、台湾の素敵な俳優が出ているドラマにはまり、英語のセリフで理解はできても、彼が言った言葉をそのまま理解したくて中国語を学んだことがありました。😆知りたい、知ることによってより近くにいける気がしたのでしょうか。楽しいですね💗💗

でも、海外に行く用事もなければ英語はいらない??こちらが行かなくても、海外から旅行客がたくさん日本へ来ます。グローバル化です。行くつもりがなくても、就職したら海外勤務の辞令がでた…海外に行かなくても、外国の会社との合併で海外とのやり取りや異文化コミュニケーションが必要となったり、ということで、英語は人との繋がりを持つためのコミュニケーションツールで、『英語の勉強するのは、日本語とは違う文化を理解しコミュニケーションに使うため、つまり異文化コミュニケーションが目的です。』と鳥飼さんは書いています。

とはいっても、英語を学ぶのはなかなか大変なので、英語をこんなふうに学んだら好きになれるのではないかな?ということだったり、どうやって学んでいくと楽しいか、こうしたら自然に英語が身につくのでは⁉とか、鳥飼さんがひとつづつ例を含め説明。また、英語の4技法(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)が相互にどう関係しているのか、それを知った上でどんなことができるか、などの説明があったりします。目新しい勉強方法ではないのかもしれないけれど、中学生に向けて、英語の勉強方法が丁寧に書かれていると思いました。

後半、AIを使った自動翻訳機の話や鳥飼さんの経験をベースとした英語のお話などがあります。機械翻訳の性能も良くなってきているけれど、それでもまだ外国語を学ぶのは、世界を知り、自分とは違う文化や考えを持つ人達と出会い、その人達にかかわり、その人達を知ることが楽しいからだ、と言っています。


『英語という外国語を学ぶと、世界への窓を一つ持つことができます。将来は違う外国語にも挑戦して異文化への窓を増やすと、世界が広がります。』


英語を学ぶということは、またひとつ その人の可能性が広がるということではないのかなぁ、と思ったりしています。