外国語学習とエスノグラフィー | 多文化共生・国際交流研究事務所
こんばんは。仁哲です。 本日、外国語学習とエスノグラフィーとの関係性について論じてみます。
エスノグラフィーは、あまり聞きなれない言葉だと思いますので、 簡単に説明します。
エスノグラフィー(ethnography)という言葉は、 ギリシア語の「(異なった)民族(ethnos)」と 「描く・書く(graphein)」を基にした造語です。
文化人類学者の小田博志によりますと、
一般的にエスノグラフィーを、研究のプロダクト(産物)と プロセス(過程)として、大きく2つの意味で理解されています。
プロセスとしてのエスノグラフィーは、 フィールドワーク含んだ調査研究の進め方という意味です。 方法論としてのエスノグラフィーと言っていいです。
私の研究では、主に後者の意味でエスノグラフィーを使っています。私の専門分野は、外国語教育と東アジア地域研究、 そして多文化共生・国際交流研究などです。
私見では、地域研究や多文化共生の研究は、 フィールドワークは必須です。 その場合、エスノグラフィーの威力を発揮できます。
研究を進め、長年教育と研修の現場に携わると、 外国語学習にも、 エスノグラフィーという方法論を導入できると思うようになりました。
それは、異なる学び手を考慮して、 教える内容と教える方法を工夫することはもとより、 教材・資料の開発や手作りも必要だと思います。
たとえば、中国語教育にも、 アニメや歌を教材化して導入しています。
学び手の反応や意見・感想を参考して、 教える内容と教え方を調整しています。
外国語学習は、プロセスが大事だと思います。 外国語学習をエスノグラフィーすることで、 学びのプロセスを振り返って、上達のコツを可視化できます。
参考文献
小田博志『エスノグラフィー入門――<現場>を質的研究する』春秋社、2010年。

