おはようございます。仁哲です。
ご訪問ありがとうございます。
本日は、この数日間の議論を引き継いだうえ、中国語を学ぶメリットについて考えてみたいと思います。
中国語を学ぶメリットとはなんでしょうか?
いろいろな見方があると思います。
本日は、ひとまず二つの角度から考えてみます。
一つ目は、中国語を母国語として学ぶ場合。
二つ目は、中国語を外国語として学ぶ場合。
メインの議論は二つ目ですが、比較対照するために、まず、一つ目について考えてみます。
わたしは中国生まれ育ちなので、中国語が母国語です。
通訳・翻訳、語学研修などの仕事を、20年間ぐらい携わってきたので、今でも常に中国語を磨いています。
復習を兼ねて、昨日紹介したピータ―フランクルさんが言ったことをもう一回引用します。
ピータ―フランクルさんは著書『美しくて面白い日本語』、
外国語を学ぶ前に、まず母国語を磨くことを勧めています。
自分の日本語を磨くことで、
結果として、日本語も上達して外国語ももっと学びやすくなるはずだと思います。
ピータ―フランクルさんの議論を敷衍すれば、
わたしの中国語を磨くことで、結果として、中国語も上達して、日本語をはじめ、他の外国語ももっと学びやすくなるはずだと思います。
二つ目は、日本人が中国語を学ぶ場合のメリットについて考えてみましょう。
ピータ―フランクルは、その著書『ピーター流外国語習得術』で、中国語を学ぶことを勧めています。少し長いですが、引用します(189-190頁)。
ぼくはいま、とりわけ日本の若い人に中国語を勉強しようと提唱しています。英語も必要です。でも、英語はどっちみち学校である程度学びますから、第二外国語としては中国語をやるのがいいとぼくは思っています。
その理由について、ピータ―フランクルさんは次のように述べています。
タイ、マレーシア、インドネシアなどでもかなりの数の中国人が住んでいます。
華僑は、インド、パキスタン、中央アジアをのぞいて、アジアのいろいろな国に広がっています。
ですから、その国の文化に入ろうと思ったら、ひとつの突破口になるのは中国語です。
インドネシアのことをもっとわかろうと思ったら、インドネシア在住の中国人と知り合って友だちになることです。もちろんあとでちがうインドネシア人とも知り合うべきで、そうではないと見方がかたよってしまうのですが、東アジアや東南アジアについてでは、中国がいちばん大きな文化的影響力をもっていたし、経済的な影響力もいまだに華僑がもっているということがありますから、中国語を学ぶ意味は大きいのです。
さすがに、11ヵ国語ができるピータ―フランクルさんの視点は独特で、視野も広いですね。
中国語を学ぶメリットは、決して経済的要因だけではないです。経済的側面にフォーカスした場合でも、普段、多くの人が見ている中国大陸だけを見ることではなく、東南アジアも視野に入れて考えるべきだと言えます。
最後に一つ実例をあげて、中国語学ぶことのメリットを説明します。
わたしは個人レッスンも行っています。なかにはいろいろな語学レベルの方がいます。
そのうちに、Tさんという日本人女性がいます。Tさんはかなり英語もできて、英語の通訳もやっています。中国語も上級レベルに達しています。
Tさんに聞いた話ですが、2年前にインドネシアのメディア関係者が北海道にきた際に、通訳を際に、英語だけではなく、中国語もできるのが条件でした。それでTさんが選ばれたのです。なぜかとうと、インドネシアのメディア関係者は華僑だったのです。実際、通訳の場では、メインは英語でしたが、中国語ができるだけで相手側が喜んでくれたようです。
参考文献
・ピーター・フランクル『ピーター流外国語習得術』岩波ジュニア新書、1999年
追伸
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