かつての建物で残されているのは松風庵と四阿だけです。

四阿は桂離宮の卍亭の写しです。

桂離宮では茶室松琴亭の中立の腰掛けに使われていたようです。

卍亭は腰かけが互い違いに配置されており、客同士が正面をむきあうことがないように配慮されています。

大橋治三さんの写真集「茶庭」でも写真付きで紹介してあります。

この本では四阿ではなく、腰掛け待合として紹介され、お互いが顔を見合わせない貴人腰掛けと書かれています。

いずれにしろ、松風庵に隣接してこの四阿があるということは、おそらく大人数の茶会がよく開かれていたということでしょう。

黒光りして使い込まれた腰掛けに、華やかな当時の茶会の様子がうかがえます。

当初は卍亭と同様に茅葺でしたが、補強の際に将来の維持管理を考慮して銅板葺きとなりました。

ここは露地には含めず、一般の方が自由に入れて、可憐な山野草や露地を眺めながらゆっくりと過ごしていただく空間にしました。

ただし、大規模な茶会では腰掛け待合として使えるように、茶室とつなぐ動線は確保してあります。

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