松風園には5種類の竹垣があります。

入口と庭を仕切る建仁寺垣、ホールと待ち合いを仕切る光悦寺垣、広間と待ち合いを仕切る袖垣、広間と小間を仕切る鉄砲垣、露地を仕切る四つ目垣です。

アプローチの階段を進んで事務所入り口に立っても庭は建仁寺垣で全く見えません。

入口からホールに入って初めて「本庭」を見ることができるように、あえて建仁寺垣を設けました。

建仁寺垣は視線を全く遮りたい時に有効です。


松風庵には広間の外に待ち合いがあります。

おそらく中立ちの時に使われていたものと考えます。

かつてはこの仕切りに光悦寺垣が使われ、その横に黒松が植えられていました。

改修にあたっては、この待ち合いをそのまま残すとともに、控えの間からも直接席入りできるようにし、待ち合いの前に蹲を新たに設けました。

この蹲と本庭の仕切りに光悦寺垣と黒松を置きました。

光悦寺垣は創作性が高く、刈込のツツジと調和して趣のある景を作り出しています。

また、待ち合いと広間の軽い仕切りに袖垣を置きました。

何れも、視覚的には向こう側が透けて見えますが、空間の結界を作るのに役立っています。


松風庵は書院造りの広間と草庵の小間を持っており、広間は芝生と刈込の本庭、小間は内露地に接しています。

この二つの異なる空間を仕切るのが鉄砲垣です。

細いクヌギの柱に沿わせて置いています。

また、内露地、外露地の仕切りは四つ目垣にしました。

侘び寂の露地には簡素な四つ目垣が最適です。

もともとは一部に低い金閣寺垣が使われていましたが、シンプルに四つ目垣に統一しました。園路から露地という独特の空間を見せながら、明確な結界をつくり、空間を分けることに役立っています。

また、光悦寺垣や四つ目垣のように奥を見せながら空間を仕切ることは、庭を広く見せる効果もあります。

このように、視覚的遮蔽、結界、空間の仕切り、庭を広く見せる等、竹垣は使いようによっていろいろな効果を発揮します。

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