12年ぶりにお客様からメールをいただいた。
エコキュートの買い替えをご検討していらっしゃるとのこと。
私は電車に乗ってお客様のお宅を訪問した。
新幹線の駅から歩いて行ける距離に土地を探して差し上げたので良かった。
銀行にお勤めをするご主人と、まだ小学生だった2人お嬢さんの音大受験を考慮してのものだった。
大きなグランドピアノのある家を建てた。
12年も経つと、街並みがすっかり変わってしまい、道に迷った。
今までに350棟以上のこだわりの家を作ったが、この家も思い出に残るお屋敷だった。
当時小学生だったお嬢さんはもう大学生になったとのこと。
お一人は薬学部なのであと2年勉強があるそうだ。
お人形さんのように愛らしお嬢さんたちがもう立派なレディに。
人生は早いものだ。
奥様は全然変わらず、森尾由美さんのようにお綺麗で明るく上品、旦那さんは銀行の偉い人になって貫禄が出ていた。
駐車場には高級車が並び、家にも風格が出ている。
玄関に入った瞬間、家の喜んでいる感情が伝わり泣きそうになった。
「ここのご家族に大切にしてもらっているよ」
と、嬉しそうに笑っている。
もう家づくりは辞めたが、私はご褒美をいただいたような気がした。
神様に導かれて作る家。
建物が人を選ぶことは間違いがない。
人が建物を選ぶのではない、建物がそこに住む人を選ぶ。
そして神様のお導きによりできた家に暮らすご家族に、不幸はない。
私はそのお手伝いができた幸福を感じた。