ある日 私の展示場にお母さんと20代のお嬢さん そして幼稚園の女の子と小学生の男の子がやってきました その時がそのご家族との初めての出会いでした
お母さんと20代のお嬢さん 幼稚園の女の子はお嬢さんの子供さんかな? でも小学生の男の子は お嬢さんの兄弟の子供?
「みんな私の子供なの 全部で10人産んだのよ 凄いでしょ?」
と豪快に笑う奥さん
氷魚も驚きました まるでテレビのビッグダディのような話だったからです
25歳のしっかり者のお嬢さんが長女で いちばん下のお子さんが 幼稚園の4歳の女の子
女の子が4人 男の子が6人
そしてご主人が一年前に他界されて 今は小さな6帖二間しかない家で暮らしているというのです
ご主人が残してくれた保険金で家を建てたいというお話でした
「お金はいずれ無くなってしまうので 形で残そうということになったの」
奥さんは父親としてもがんばっていらっしゃいました
朝は新聞配達をし 日中から深夜までは宅配便のセールスドライバーをされていました
24歳のお嬢さんが デパートで働きながら 家族のお母さん役をされていました
「子供たちひとりひとりに 小さくてもいいから 部屋をあげたいんです」
45坪の家に10部屋の個室を作りました
土地は今のお住まいの近くに見つけ 不動産屋さんに事情を話すと かなり安くしていただきました
ある日 打合せに中学2年生の三男の息子さんが同席していた時のことです
奥さんが
「私が死んだら あとはこの子たちが引き継ぐわけですから」
と言った瞬間 その息子さんは語気を強く言ったのです
「そんなこと言うなよ!」
大好きな父親を事故で突然失い そして今度は保険金にも手を付けず 懸命に働く母親を大切に思う気持ちがあったからです
この家族は絶対にしあわせになると氷魚は思いました
子供は親の後ろ姿を見て育ちます 子供たちのために 家族のために夜も昼も働くお母さんを見て グレるはずもありません
家族が家族を思いやりながら生活をしていました
天国のご主人も 安心していることでしょう
今も心に残る素敵な大家族でした
そんな温かいご家族の家を造ることができた私は幸福者です
遠方なので最近はお邪魔していませんが
今も素敵なドラマが続いていることでしょう
素敵なお家になりますように