「たまたま」が重なった話 | ちゃっきりおばさんの、ぼちぼちブログ

ちゃっきりおばさんの、ぼちぼちブログ

静岡県中部地区を中心に、ランチで行ったお店やミニドライブで発見したことを、アバウトに紹介したり、韓国ドラマやWOWOWでみた映画にコメントしたり、自由気ままに書いています。

「たまたま」起きたことでも、予測できなかったことが偶然に起きて驚くことなのに、「たまたま」が重なった奇跡(おおげさですが)の話です。


9月下旬に、従弟から

「入院してた父ちゃんが、いよいよダメかもしれなくて個室に移った。一応知らせておこうと思って電話した。」

と、一報が入った。

この日、「たまたま」私は、その「父ちゃん」の妹である母のところに遊びに来ていて、

「ちょっと待って!私の隣に母がいるから」

と、母に電話をかわった。


母が居るのは磐田市、その兄さんは伊豆である。駆けつけるにはちょっと遠い。

母も高齢。

なので、万一のときは通夜も葬儀もしない、という従弟の言葉に、

「おばちゃんも遠いから、行って何かしてあげられないけど、ごめんね」

と謝っていた。

親戚は皆遠方。従弟の母親は認知症で事態を理解できず、兄弟2人と母親の3人で直葬にするそう。

それでも私は、

「万一のときは知らせてね。母は無理でも私はおじさんにお別れしたいから」

と言って、電話を切った。


それから3週間。

連絡もなく、状況もわからないまま、こちらからも聞けずにいた。


そんな折、私の亡くなった父が生前勤めていた会社の社長が亡くなった、という連絡が母のところにきた。

父が病気で退職してからもずっと、その社長の家族が母のところに連絡を絶やさず、母が磐田に来ても、食料や衣料などを送ってくださったり、親戚のようにお付き合いしていただいたのです。

土曜日にお通夜だというので、週末なら私の都合がよければ、母がお通夜の前にお悔やみに行きたい、と言った。

昼間のうちなら、高速で往復すれば、それほど負担はない。

お彼岸に行けなかった父の墓参りもしたかったのだと思う。


午前中ならまだ、ご遺体も自宅に安置されていると予想し、沼津へ車を走らせた。


富士を過ぎた頃、従弟から私に

「父ちゃんが今朝亡くなった」

と、連絡が入った。

あまりに偶然で、驚きに判断力を失っていた私は、折り返す、と一度電話を切った。


「たまたま」沼津に向かっていた私たちは、午後に伊豆に向かおうと決め、従弟に連絡した。


社長のお宅に到着したとき、ご遺体はちょうど清拭を行っており、私たちは1時間近く待つことになった。

このとき、私たちは誰もスマホを携帯しておらず、従弟からの連絡に気づかなかった。


キレイになったご遺体にお別れを告げ、私たちは伊豆に向かうべく車に乗った。


着信に気づいて従弟に電話すると、伊豆ではなくご遺体は三島にある、という。

依頼した葬儀屋が三島にあり、14時から打ち合わせなので、その前に葬儀屋で待ち合わせることにした。


「たまたま」社長の家で待たされたことで、私たちは伊豆に向かわずに済んだのです。


「たまたま」が重なったことで、母はお兄さんにお別れすることができた。

天国の父が、母に負担がかからないよう、このように段取りしてくれたみたいだと思った。


あの世で父は、2人の友人を迎えて、忙しく世話を焼いているに違いない。