・書評『僕の見た「大日本帝国」(文庫版)』 | アジアの真実

・書評『僕の見た「大日本帝国」(文庫版)』

僕の見た「大日本帝国」 (角川ソフィア文庫)
西牟田 靖
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 以前紹介 した、「僕の見た大日本帝国」の文庫版が刊行されましたので、この機会に再び紹介したいと思います。 詳しい書籍紹介は前回書いています ので省略しますが、この本を読むと、かつて日本が統治した場所では、日本を思い出させる史跡がはっきりとした形で残っていることや、当時を懐かしく日本語で語る老人たちが多数いることに驚かされます。そして彼らの話は、私達が受けた、所謂”戦後教育”やマスコミから得られた知識とは全く違う印象や内容であることにまた驚かされます。その”リアルな声”は、戦後教育を受け、固定観念を持っていた我々の認識を変え、何か清々しい気分さえ感じさせてくれます。


 しかし、その”リアルな声”を聞くことができる残された時間は、あまりにも少ないというのも実情です。その声を集めなければ、当時そこで何があって、その地域に日本は何を残したのか。それが残されることなく、いろんな国の政治家達に都合が良いよう”作られた歴史”が残ってしまうだけで、真実は永遠に失われるでしょう。


 今回の文庫版で新たに書き起こされたあとがきには、筆者が旅をしてから今までの間に、かつて日本だった土地で当時の話を聞かせてくれた老人達の何人かは既にお亡くなりになっているということが書かれていましたが、それを読んで、取り戻すことのできない真実がまた消えてしまったようで悲しくさえ思えました。


 書き下ろしのあとがき以外の内容はハードカバー版と変わっていませんので、ハードカバーを読まれている人はあらためて購入する必要はないと思いますが、ハードカバーを読まれていない人は、自信を持ってお薦めできる本ですので、文庫化で値段が下がったこの機会に読まれることをお勧めします。


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