・アメリカが鳩山氏との会談後に対し強い不信感を表明 ~鳩山氏の外交デビューは何点か~ | アジアの真実

・アメリカが鳩山氏との会談後に対し強い不信感を表明 ~鳩山氏の外交デビューは何点か~

米政府、鳩山首相の「東アジア共同体」に強い反対 不信と懸念強める:産経

 鳩山由紀夫首相が国連総会の一般討論演説で表明した「東アジア共同体」構想に対し、米政府高官が米国抜きの構想だとして強く反対する意向を日本側に伝えてきたことが28日、分かった。日米関係筋が明らかにした。

 就任直後の訪米で、オバマ米大統領との信頼関係の醸成に自信を示した首相だが、首相の外交政策への米側の懸念がかえって強まっていることを示している。

 同筋によると、構想に反対し懸念するとの意向は、24日の首相の演説直後に米政府高官が日本政府高官に伝えた。

 首相は23日に行われたオバマ大統領との初会談では、アジア政策は日米同盟なくしては成立しないとの認識を強調したものの、「東アジア共同体」構想については説明しなかった。

 ところが、翌日の国連演説で、首相は「FTA(自由貿易協定)、金融、通貨、エネルギー、環境、災害救援など、できる分野から協力し合えるパートナー同士が一歩一歩協力を積み重ねることの延長線上に、東アジア共同体が姿を現すことを期待している」と述べ、構想の実現に強い意欲を表明した。
首相は21日に中国の胡錦濤国家主席とニューヨークで会談した際も、「東アジア共同体」構想に言及し、「日中の違いを認めながら、違いを乗り越えて信頼を築き、構築したい」と語っていた。

 首相は16日の就任記者会見では「米国というものを(構想から)除外するつもりはない。米国抜きで必ずしもすべてできるとは思ってもいない」と語ってもいる。しかし、かねてから同構想への警戒感を抱く米側は、日米首脳会談で首相の「真意」を確認できないままに終わり、構想の説明については米国は“外された ”格好にもなったことから、不信感と懸念を強めたものとみられる。

 米政府はブッシュ前政権時代から、「東アジアから米国を排除するようなもの」(アーミテージ元国務副長官)とするなど、同構想への反対姿勢を鮮明にしてきた。


 国連で演説し、中国やアメリカ、ロシアといった大国の首脳達と初会談を終えた鳩山氏。TVなどマスコミの報道では、おおむね高評価のようです。この外交デビューを”満点”と評価する議員もいるようです。

 しかし、鳩山氏がこの外交デビューでやってきたことは、マイナス点にはなれどプラスの点になるようなところはなかったように思えます。

 

 まず上記記事で紹介したアメリカのオバマ大統領との会談。なにやら、バラク、ユキオと呼び合う中になったなどという、中曽根・レーガン時代の、ロン・ヤスを真似て親密さをアピールするきな臭い報道がありましたが、鳩山氏の論文がアメリカで大批判を浴びたときと同じように、東アジア共同体という構想に、アメリカからきっぱりとNOを突きつけられ、アメリカに不信感だけを与えてきたことが明らかになってきました。


 さらに中国の胡錦涛氏との会談では、いきなりチベットは中国の国内問題であると宣言し、東シナ海のガス田問題では、共同開発の促進を確認しただけで、共同開発合意後も中国が勝手な開発と盗掘を続けていることに対して牽制の一言も発しませんでした。中国にとっては、「東シナ海の権益は中国主導でどうぞお願いします」というメッセージに聞こえたことでしょう。さらに会談の前には靖国参拝を絶対にしないとも宣言しており、初会談でいきなりあらゆる方面に対して譲歩したとも言えます。外交手法としては零点どころの話ではありません。中国からしてみれば、扱いやすい属国の首長が土下座しながら謁見してきた。とでも映ったことでしょう。鳩山氏の言う”友愛外交”とは、どうやら相手の主張に対してあらゆる譲歩をし、要求を全て呑む手法のことを言うようです。


 また国連では、先日の記事でも指摘したように、何の根拠もなく、国民とコンセンサスも取れていない、ただの思いつきの数字であるCO2削減25%という数字をあろうことか国際公約とし、マスコミは大絶賛。しかし、その一方で帰国してから、25%という数字の問題点を考えよと官僚に指示したというのですから、空いた口がふさがりません。

 いったいこの首相は外交デビューといいながら何をやってきたのしょうか。満点どころか、日本からしてみればマイナス点しかつけようがありません。100点満点で言えば、国連での演説-20点、中国との会談-30点、アメリカとの会談-20点で合計-70点ということころでしょうか。

 そして、この本質を伝えずに大絶賛をするマスコミの姿。本当に今、この国はどうかしています。


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参考書籍:

民主党の正体――矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
西村幸祐
4775514229