・両院議員懇談会にて麻生総裁のもとでの選挙を確認 ~最悪の条件で行われる選挙を自民は戦えるか~ | アジアの真実

・両院議員懇談会にて麻生総裁のもとでの選挙を確認 ~最悪の条件で行われる選挙を自民は戦えるか~

【自民党両院議員懇談会・詳報】 麻生首相「多大な迷惑をかけた」 :産経
 自民党は21日、党本部で両院議員懇談会を開いた。冒頭、麻生太郎総裁(首相)は自身の発言や地方選の敗北について「多大な迷惑をかけた」と陳謝し、「今回の総選挙は、どの党が責任をもって日本の未来というものを判断し、そして運営していくのにふさわしい政党なのかを国民に選んでいただく大切な機会だ」と述べ、選挙に向けて結束を訴えた。詳細は以下の通り。


(前略) 

 「麻生内閣は本日解散を決定した。13時の本会議で解散される。午後の閣議で日程を確定するが、8月30日の投票に向けあと40日の戦いが内定する。4年前の前回衆院選から、約1400日で、いろんな法案成立に努力してきた。さまざまな法案、法令、条約が成立した。海外における日本の海賊対策、アフガン沖の給油活動もそうだ。その間、北朝鮮のミサイル核開発など問題も山積している。そしてこのような大変なとき解散が行われる。

 (国民からは)自民党の実績を評価するのみでなく、批判も高まっている。内容はひかえるが、行政改革、政治改革が足りない医療、年金、社会保障をもっとやれと大きな要請をいただいている。政権政党として自公連立政権を確立し、各種の法案を作り上げ、景気回復、社会保障問題に全力を挙げている。麻生総理を先頭にこれからも頑張らなければならない」

 麻生太郎首相

 「本日、衆議員を解散し、総選挙に臨むにあたりまして、私の決意と覚悟を申し述べさせていただきたいと思います。まず冒頭、反省とおわびを申し上げなければならないと存じます。ひとつは、私の個人についてであります。私の発言や、またブレたといわれる言葉が、国民の方々に政治に対する不安、不信を与え、結果的として自由民主党の支持率の低下につながったと、深く反省をいたしております。

 もうひとつは地方選挙についてであります。東京都議選をはじめ、一連の地方選挙におきまして、われわれは多くの党員党友をはじめ、支援者の方々に多大なお力添えをいただきながら、残念ながら所期の目的を果たせませんでした。残念ながら、多くの方々に多大のご迷惑をかけることになったと。ここに、あらためておわびを申し上げる次第です。

 私に対する評価や、また自由民主党内の結束の乱れが、良くない影響を与えたことは否めないと存じます。党内をまとめきれなかった私の力不足について申し訳なく思っているところでもあります。

 これらの選挙で示されました国民の気持ち、民意、批判、われわれはそれを真摯に受け止め、謙虚に反省し、出直さねばならないと決意を新たにしております。

 私は本日、衆院を解散して有権者の皆様方にその信を問いたいと存じます。問われるべきは日本を守る、そして国民の生活を守る、その責任を果たす、それにふさわしい政党はどの党か、との政治の責任を明らかにするためであります。

 私は昨年9月、第23代自由民主党総裁に選任をしていただきました。その時、前後してアメリカ発、世界同時不況が起きております。日本もその枠外ではありませんでした。私は政局より政策、解散・総選挙よりは経済対策、景気対策、そう確信して、この半年あまりの間に、4度の予算編成を行いました。おかげさまで、その成果が少しずつではありますけども、見えつつあります。

 しかし、まだ道半ばであります。中小企業、小規模企業、また、雇用の問題、われわれにはまだまだ解決しなければならない問題が残っております。経済対策一本でこれまでやってきた私にとりましては、経済回復、景気回復が確かなものになるまで、総理・総裁の職務を投げ出すことはできません。

 全治3年と申し上げました。私は景気最優先で、必ず日本の景気を回復させます。

 もう1つ重要な政治の責任は「安心社会の実現」であります。私たちの生活は、私たちのまわりは雇用、また老後、医療、年金、子育て、多くの不安というものにわれわれは囲まれております。

 私が目指す「安心社会」は子どもに夢を、若者に希望を、そして高齢者には安心を、であります。雇用に不安のない社会、老後に安心がもてる社会、子を産み育てることが安心してできる社会。これを実現するための政策を加速します。行き過ぎた市場原理主義からは決別します。

 社会保障予算の無理な削減は止めます。さらに徹底した行政改革。国会議員の削減、公務員の削減、天下り・渡りの廃止、行政の無駄を根絶しなければならない。官僚の特権は許しません。

 同時に自由民主党の国民から厳しい目を向けられております、世襲候補者につきましても特別扱いはしません。党改革実行本部の答申を踏まえ、党と国会の改革を進めてまいります。

 民主党は「政権交代」を主張しておられます。しかし、景気対策、福祉の財源、安全保障政策のいずれをとっても、自民党に反対するだけで、具体的な政策はみえません。

財源を伴わない空理空論。こうしたものに日本の経済を任せることはできません。また安全保障政策のまとまっていない政党に日本の安全保障を委ねるなどということは断固できません。日本の未来というものに責任をもって取り組める政党は、私の率いる自由民主党だけであります。

 今回の総選挙は、どの党が責任をもって日本の未来というものを判断し、そして運営していくのにふさわしい政党なのかを国民に選んでいただく大切な機会です。自由民主党は真の保守党です。私たちは保守の理念のもとに集まった同志であります。

 ここに国旗が掲げてありますが、当然のこととして国旗を掲げている政党がどこにありますか。昭和30年11月、自由民主党が結党して以来、半世紀あまりがたっております。

 この間、多くの危機、困難にわれわれは直面しました。しかし、その都度、総裁のもと一致団結して戦ってきた長い歴史が自由民主党にはあります。

 そして、自由民主党は党内の自由闊達な論議を大切にしております。しかしいったん、結論が出たあとは、一致団結して戦ってきたのがわれわれの長い伝統ではなかったでしょうか。今こそ、その歴史と伝統に培った力強さを、われわれ実践してみようではありませんか。

 とてつもない自由民主党の底力を皆さんとともに発揮して、この国難、この難しい局面に皆さん方の先頭に立って立ち向かう、必ずこれを戦い抜いてみせる決意を申し上げ、皆さま方のご理解と、ご協力をお願い申し上げます」


 実績はともかく、国民に人気のない麻生総理を選挙前に降ろして新しい顔で選挙に臨みたかった一部の自民党議員達の思惑は不発に終わり、議決権や拘束力のない両院議員懇談会を開き、麻生総理が謝罪と共に決意を固めるという形を取り繕う結果となりました。

 私はこの結果を評価しません。以前の記事でも書きましたが、私は総裁選を前倒しするという案には比較的賛成でした。残念ながら現在の国民は票を入れるとき、マスコミの受け売り、もしくは人物の名前や知名度に左右されやすいというレベルの人が多い以上、麻生総理ではなく人気の高い誰かに顔を代えるというのは、多少なりとも有効な手段であると言えるのではと以前の記事で書きました(それが根本解決ではないことを承知の上で、そこまでレベルを落とした戦略をとると言うことです)。

 しかし、自民党は党内からのその動きを封じ込める形を取りました。結果的に国民には「なんだか内部もバラバラな自民党」という印象を与えた感は否めない。これは大きなマイナスです。麻生おろしをやらないならやらない。やるならやるでどちらかにすべきだった。結果的に最も悪い結果となりました。


 一方で、麻生総理がこの懇談会と6時からの記者会見で述べた解散の理由・争点は、「日本を守る、そして国民の生活を守る、その責任を果たす、それにふさわしい政党はどの党か」でした。日本を守るという点においては、日の丸を掲げるのは自民党だけであると、民主党の売国政策や外交、安全保障上の問題点を暗に指摘しています。麻生総理の説明するこの解散の争点は全く間違っていない。正しい。当Blogでも何度も述べているように、民主党の掲げる外国人参政権法案や人権擁護法案、慰安婦法案などの数々の売国政策を掲げ、中国や韓国の属国になるような姿勢を取り続けていつことは日本という国にとって大きなマイナスとなります。つまり民主党が政権を執ったら、「日本は守られなくなる。中韓に売られる」 これが本来は選挙の争点となっておかしくない。


 しかしです。それは正論ですが、どれだけの国民がそれを理解出来ているか。理解出来ていないとしたら、あと40日の間にそれが問題であると国民に理解させることはできるのか。自民党は今までも、その民主党の売国的な政策を正面から批判し、国民にアピールすることを殆どしてきませんでした。つまり土壌すらできていない。


 「日本を守るのはどの政党か」全く正論です。その点から見れば、民主党に票など入るわけがありません。しかし残念ながらそれに気付いていない国民にそれを理解させ、争点化することが今からできるとは思えません。マスコミの協力も得られないでしょう。麻生総理の説明は理解出来ますが、残念ながら選挙の有効な争点として国民に受け入れられるとはとても思えません。


 話は一旦戻りますが、実は、私は本日の議決権のない両院懇談会で、麻生総理が都議選の敗北を陳謝し、その責任を取るという形で自ら辞任するというシナリオもあるのではと思っていました。そうすることで、「党内から降ろされた」のではなく、自分の意志という体面を保ったまま、党内の反対派をなだめつつ、選挙対策として国民の目を騙す「顔のすげ替え」もできるからです。

 しかし、麻生総理はその方法も取らなかった。選挙対策として麻生総理の掲げる争点も武器になり得そうにない。今、自民党に有効な武器は何もありません。選挙へ入るタイミングと最初に持つ武器としては最悪の状態です。そしてあと40日という短い期間に一体何ができるのか。自民党には相当に苦しい選挙となるのは間違いありません。


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参考書籍:
民主党解剖
産経新聞政治部
4819110640