・福田首相が辞任 ~福田氏が日本に与えたダメージは計り知れなく大きい~ | アジアの真実

・福田首相が辞任 ~福田氏が日本に与えたダメージは計り知れなく大きい~

福田首相退陣、後継総裁選に麻生氏出馬へ:読売
 福田康夫首相(72)は1日午後9時半から、首相官邸で緊急記者会見を行い、退陣する意向を明らかにした。

 首相は、8月1日に内閣改造に踏み切ったが、内閣支持率の低迷から抜け出せず、政権浮揚の展望が開けなかった。自民党は近く総裁選を行い、後継総裁を選出する。麻生幹事長は2日未明、立候補の意向を党幹部に伝えた。党内には小池百合子・元防衛相らを推す声もある。与党は、新内閣の支持率などをみながら衆院解散・総選挙の時期を探ると見られ、今後の政局は解散含みの緊迫した展開となる。

 首相は記者会見で、辞任を決断した理由について、「新しい布陣のもとに政策の実現を図っていかなければならないと判断し、辞任を決断した」と述べた。

 この時期に辞任を表明した理由については、次期臨時国会召集を間近に控えていることを指摘し、「今が政治空白を作らない一番いい時期と判断した。臨時国会が順調にいくためには、私がやるより、ほかの方がやっていた方がよりよくなるのではないか」と説明した。

 辞任の意向を固めた時期については「先週末に最終的な決断をした」と明かした。

 記者会見に先立ち、首相は1日夕、首相官邸に自民党の麻生幹事長を呼び、約1時間にわたって会談した。会談には、途中から町村官房長官も加わった。首相は、席上、麻生、町村両氏に辞意を伝えた。

 首相は8月29日に総合経済対策をまとめ、9月12日に臨時国会を召集し、補正予算案を提出する構えを見せていた。

 臨時国会では、新テロ対策特別措置法改正案や消費者庁の設置法案を成立させることに意欲を見せるとともに、衆院解散・総選挙の時期については、できるだけ先延ばしする意向を示していた。

 しかし、来年夏の東京都議選に集中したい公明党・創価学会からは、年明けの衆院解散・総選挙を求める圧力が強まっていた。このため、与党内では年明け以降の「1月解散」が有力との見方や、支持率の低い首相のもとで衆院選を戦うのは難しいとの声が広がっていた。

 衆院解散・総選挙の時期について、与党側には、新首相の誕生後、早期の実施が有利だとの見方が出ている。一方、安倍前政権に続いて「政権を投げ出した」とのイメージを有権者にもたれれば、早期選挙は得策でないとの意見もある。民主党は、同党にとって早期の衆院解散が有利とみて、早期の実施を迫る構えだ。

 首相は安倍前首相の退陣を受け、昨年9月25日に第91代首相に指名された。


 昨日夜、ニュースを見て驚きました。安倍首相辞任の際にも驚きましたが、マスコミや左翼団体から強烈なバッシングを受けていた安倍氏とは違い、事なかれ主義に終始する福田氏は、国を売ろうが何をしようが、任期いっぱい、もしくは解散までは辞任などせずのらりくらりとすごすのではないかと思っていました。


 今回の辞任は福田氏には申し訳ないが、「良かった」という感想です。就任直後に、「中国の嫌がることはしない」と言い切った福田氏は、在任中は中国に媚を売り続け、食品テロとも呼べる餃子事件はあっさりと免罪。チベット虐殺問題も免罪。ガス田問題では将来的に中国にすべて奪われかねない危険で中途半端な合意を行い、仕上げにオリンピックで北京訪問とまるで属国のような姿勢に終始しました。

 北朝鮮に対しては、拉致調査を再開すれば、何の進展もなくても経済制裁を緩和するという、不平等極まりない約束を取り付けてきました。韓国相手には、竹島問題に関する教科書の指導書への記述を、韓国の恫喝を受けて簡易なものに変えるという措置も行いました。

 他にも、日本の防衛に非常に有効であったクラスター爆弾の全廃を独断で決定するなど、後の日本に禍根を残す数々の業績を残してくれました。

 

 いろいろありましたが、特に小泉氏-安倍氏が作った、「事なかれ主義からの脱却、もの言える普通の国へ」というラインを断ち切ってしまったダメージは日本にとって計り知れなく大きいです。小泉氏と安倍氏は、中国や韓国、北朝鮮といった周辺の反日国家に対して、不条理な声をあげても日本は動じないという強力なクサビを打ち込むことに成功しましたが、福田氏はその流れを断ち切り、「日本は恫喝すれば何でも言うことを聞く」という状態に戻してしまったのです。これから再び脱却するのは大変な時間と労力を要します。マスコミや左翼団体からのバッシングを受けながらもそれをやり通したのが小泉氏、安倍氏でした。


 国内政治で言えば、福田氏が辞任会見で述べていたとおり、与党を批判することのみを存在意義としている民主党の徹底的な審議拒否や邪魔、不祥事探しに翻弄され、思うように進まなかったと言うのはあると思います。これは必ずしも福田氏の責任のみとは言えませんが、目立ったのは民主党の中身のない与党批判のみで、福田首相が強いリーダーシップをとって”何かを成し遂げた”という印象も全くありません。


 小泉-安倍ラインが作った基盤を破壊し、事なかれ主義の日本を中国、韓国、北朝鮮に再び印象付け、年金問題などの国内問題にも有効なリーダーシップを発揮できず、カリスマ性もなく国民に全く人気がない福田氏。彼がこのまま首相を続け、臨時国会終了後に衆院解散、総選挙となったら自民党の惨敗ぶりは目に浮かぶようです。そうならないために、少しの間だけでも人気の高い麻生氏などに交代して選挙へつなげようという戦略は間違ってはいないですが、遅きに失する気がしてなりません。それならば最初から福田氏ではなく麻生氏でいけば良かったのです。前回の選挙のとき、麻生氏優勢で国民の人気もあったのに、なぜか急遽福田氏を担ぎ出したからこういうことになるのです。


 ただひとつ福田氏で評価できるとしたら、辞任したタイミングかもしれません。確かに、臨時国会開催前の今ならば影響は最小限に抑えられます。

 長くなってきましたので、次期総裁についてはまた次回以降の記事で書きたいと思います。

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参考書籍:

「国力」会議
麻生 太郎
4396613075


とてつもない日本 (新潮新書 217)
麻生 太郎
410610217X