・国民投票法案の衆院通過に抗議する社民党・共産党 ~民主主義を踏みにじっているのはどちらか~
施行60年。憲法記念日を前に、改憲手続きを定める国民投票法案が12日、衆院憲法調査特別委員会で可決された。傍聴席や国会周辺では、慎重審議を求める声があがった。
「こんなやり方があるか」「むちゃくちゃだ」。採決の瞬間、傍聴席から怒りの声が相次いだ。
00年に衆参両院に作られた憲法調査会当時から傍聴を続けてきた平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さん(79)は「最初から、狙いは戦力を持たないと決めた憲法9条2項を変えることだった。強行採決は、その本音がついに出たということ」と語った。
同日夕、日比谷野外音楽堂で開かれた抗議集会では、共産党の志位委員長は「拙速を避けて徹底審議を求める国民の多数の声を与党は踏みにじった」と批判。社民党の福島党首も「民主主義を踏みにじり、憲法を変えるための国民投票法の成立を許してはいけない」と訴えた。
弁護士らでつくる「国民のための国民投票法を考える会」は同日、全国30カ所の街頭で実施した意識調査の結果を公表。約1800人の回答のうち「審議が尽くされていない」との答えは63%で、「審議が尽くされた」は4%だった。
改憲に必要な賛成数については、60%が「総有権者の過半数」とし、与党案の「有効投票総数の過半数」より厳しい成立要件を求めた。 (後略)
13日、衆院で国民投票法案が可決されました。憲法制定から60年、憲法を改正する為に必要な国民投票に関する法律がやっと整備されました。「憲法改悪の為の悪法である!」と一部の団体が騒いでいますが、今までは憲法の中で改正の手続きを定めながら、そこに必要とされている国民投票の詳細を定める法律が存在していないという、異常事態であったのです。私は憲法など、その時代に合わせて必要な部分は改正されていくのが当たり前だと思っています。外国を見てもそれは同様であり、成文憲法がある国家で、制定された時から一度も改正されていない憲法というのは日本以外、どの国にも存在していません。(例えば、アメリカは18回、ドイツは51回、スイスは140回の改正を行っています。)
これまで蔓延してきた自虐史観、事なかれ主義により、憲法改正は今までタブーとされてきました。改正に必要な国民投票に関する法律する60年間も政敵されることなく放置されてきました。それが今、衆院を通過したという事実に、日本も変わったものだと思いました。
これを報道したものの中でおもしろかったのが上記の朝日新聞の記事にある、社会党や共産党の反論。「民主主義を踏みにじる。憲法を変えるための法律の成立を許してはならない。」 第一、GHQに押しつけられた現在の日本国憲法自体が、民主的な方法で制定されているとは言い難いものがあります。それを民主的な方法で改正するために必要な法案を、民主的な方法で選ばれた議員が正規の手続きを取って制定することのどこが民主主義を踏みにじるのか私には一片も理解することができません。どうしても嫌なら、与党を納得させるだけの内容の法案を自ら提出すれば良い。もしくは自らが与党となれるだけの支持を集めて選挙で勝利し、議席を集めれば良いのです。それができないのに、自分のイデオロギーに合わない法案は認められないと言うのであれば、それこそ民主主義を踏みにじっています。
参考書籍:
気高く、強く、美しくあれ―日本の復活は憲法改正からはじまる
櫻井 よしこ