・拉致問題で混乱する韓国  ~自称バランサーは政策転換を行うか~ | アジアの真実

・拉致問題で混乱する韓国  ~自称バランサーは政策転換を行うか~

韓国 融和ムード衝撃 対北政策の転換必至 :産経新聞4/12(紙面)
 横田めぐみさんの夫は韓国人の拉致高校生だった可能性が高いとの「事実」は、北朝鮮に対する”融和ムード”にひたってきた韓国政府と世論に衝撃を与えている。北朝鮮への配慮を優先し、自国民保護に熱意を見せないなど、北朝鮮の人道問題に目をつぶってきた韓国政府は窮地に陥ることになった。北朝鮮の恐るべき実態について、見ないふりをしてきた世論もまた、北朝鮮観の見直しを迫られている。この結果、対北融和政策一辺倒できた政府に対する世論や野党の批判が高まることが予想され、南北関係はもちろん、韓国の国内政治状況にも影響を与えそうだ。

 韓国ではこれまで、日本人拉致問題に関してはきわめて冷淡な雰囲気が続いてきた。マスコミなどでは拉致問題を機にした日本の反・北朝鮮ムードを逆に批判する傾向が見られた。「日本は過去の朝鮮半島支配の歴史を忘れて自分たちの小さな被害に大騒ぎしている」と、北朝鮮当局と同じ理屈で日本を非難する声さえあった。これは北朝鮮を敵対的ではなく”同胞”と見る近年の対北融和の影響であると同時に、何事につけ日本批判が優先する反日感情のせいだ。人権や人道問題より民族感情が優先しているためだが、その結果、韓国政府は歴史問題などでは「人類普遍の価値」や「良心」を強調しながら、北朝鮮の人道問題には何も言わないという矛盾した態度を取り続けてきた。とくに金大中前政権や盧武鉉政権は人権や民主化を看板に政権の座に着いたにもかかわらず、北朝鮮の独裁体制や人権抑圧には触れないという”親北朝鮮ぶり”が目立った。

 韓国にとって日本人拉致はこれまで人ごとだった。しかし、今回の事態で拉致韓国人が同じく被害者として国際社会から注目されることになった。もう人ごとではない。とくに韓国政府は国内的にも国際的にも知らん顔はできなくなった。 (一部略)

  韓国国内で、拉致問題がにわかに騒がしくなっています。北朝鮮による拉致被害者の数で言えば、日本よりもおそらく韓国の方が多いでしょう。しかし韓国はそれに今まで目を瞑ってきました。2002年に小泉首相が北朝鮮を訪問し、北朝鮮が初めて拉致を公式に認めてからも韓国は我関せずのの態度をとり続け、6カ国会議の場で日本が拉致問題の解決を取り上げると、関係ない話を持ち出して場の雰囲気を壊すなとまで言い切りました。その裏には、近年盧武鉉大統領が行ってきた過度な北朝鮮、及び中国寄りの政策と、それとともに徹底した反日政策があったのは間違いありません。そんな態度をとり続けてきたにも関わらず、いざ具体的な事実が判明すると途端にあわてだす。見苦しい光景です。

 北東アジアのバランサー論を展開した盧武鉉大統領ですが、実際は中国・北朝鮮陣営にどっぷり漬かり、北東アジアの国々が乗ったシーソーは韓国のおかげで大きく傾きました。実際はバランサーどころかバランスの破壊者そのもの様相でした。その韓国に対する苦言はアメリカの高官からも度々”韓国不要論”として唱えられていました。

 拉致問題のみに関して言えば、韓国も今回の件に乗じて協力し、早期解決されることに越したことはないのですが、今回拉致問題への追及論が韓国内で高まっていることに呼応し、韓国は北朝鮮寄りであった政策を方向転換し、日米と同じくした対北朝鮮政策へシフトできるのでしょうか。それともあくまで拉致問題を軽視してまでも親北朝鮮政策を取り続けるのでしょうか。どちらにせよ、バランサーどころかシーソーの上をあっちにふらふらこっちにふらふら移動しているバランスの破壊者であることには変わりはないのですが。韓国の今後の出方に注目したいと思います。


過去参考記事

・北朝鮮化する韓国2 ~日・米から離脱し中国・北朝鮮陣営へ~
・アメリカからの離反 ~自滅への道を着々と歩む韓国~
・アメリカが韓国を切り離す日 ~北朝鮮は静かなるうちに韓国の占領を終えている~
 
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参考書籍:
めぐみ〈前編〉
横田 滋 本 そういち 横田 早紀江
4575298255


告白
チャールズ・R・ジェンキンス 伊藤 真
4047915106