・「A級戦犯は靖国に祀るな」 ~結局は中国の主張に迎合する小沢氏の主張~ | アジアの真実

・「A級戦犯は靖国に祀るな」 ~結局は中国の主張に迎合する小沢氏の主張~

靖国参拝 小沢氏批判、首相は反論:産経

 小泉純一郎首相は十日、民主党の小沢一郎代表が、首相の靖国神社参拝を批判したことについて「中国がいけないと言うからいけないのか、戦没者に哀悼の念を表するのがいけないのか、よく分かりませんね」と反論した。首相官邸で記者団に答えた。
 小沢氏は九日のNHK番組で、「戦争を主導した大きな責任がある人たちは、靖国神社に本来祭られるべきではない。戦争で亡くなった人のみを祭る本来の形に戻し、天皇陛下も堂々と行ける靖国神社にすればいい」と述べ、A級戦犯が合祀されている現状を改め、戦没者慰霊の場にすべきだとの考えを示した。ただ、小沢氏は記者団に「分祀ではない。政権をとったらすぐにやる」と語り、具体的な解決策には触れなかった。
 これに関連し、安倍晋三官房長官は十日の記者会見で「政府が合祀の取り消しを申し入れれば、憲法に定める信教の自由と政教分離の原則に反する」と指摘した。
 小沢氏は靖国参拝に関し、昨年十月二十一日付の夕刊フジのコラムで、「中国や韓国の批判には同調できないが、小泉首相の『終戦記念日以外』『記帳しない』などという姑息(こそく)さだけは看過できない」と批判。「霊璽簿に名前を記載するだけで祭神とされるのだから、単に(A級戦犯を)抹消すればいい」としている。

 民主党新代表となった小沢氏の発言ですが、大きな疑問点が二つあります。まず一つは、A級戦犯の名前を霊璽簿から削除することを政権をとったらすぐにやると明言していますが、これは小泉首相や安倍官房長官が述べている通り、政府が自由に決めるべきことではないのです。政治的都合により、神社へ祀られるべき人物が左右されることは本来あってはならないことです。自分の考えとして述べるのであればまだしも、政権を取ったらすぐにやるなどと明言すべきことではありません。

 次にA級戦犯に関してですが、戦犯というものは国内法的にも国際法的にもそもそも現在においては存在していません。東京裁判が有効なのか無効なのかという議論は当然今でもあるのですが、それを差し置いても、サンフランシスコ講和条約が締結された時点で戦犯というものは国際法上消滅しています(過去記事参照→・「戦犯は存在せず」と政府が公式見解 ~自虐史観からの開放へ~ )。また国内的にも1952年から1955年の間に「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」 等が衆院で決議され、連合国の承認の元に戦犯は釈放され、それまでの処刑された方は「公務死」の扱いとなりました。つまり、そもそも現代において、A級戦犯ありきで議論していること自体が間違っているのであり、靖国自体を否定しているものではないとは言え、小沢氏のこの考えは結局のところ、l靖国攻撃の理由としてA級戦犯を掲げる中国の主張に迎合したものであると言えます。

(TVタックルによく出演される三宅久之氏が、「中国の主張するA級戦犯は存在しないが、ただし戦争に失敗し、日本国民数百万人を死に至らしめた責任者は存在すると考える」という考えをたまにTV等で発言されています。この考えは私は一理あるとも思っていますが、小沢氏の主張するところはこれとは本質的に違うと考えます。)
 小沢氏の頭の中はよくわかりませんが、この発言を見ると結局は中国の主張を鵜呑みにしているだけで、受け入れることができるものではありません。鳩山由紀夫氏も昨日韓国において、「歴史教科書や靖国参拝問題は日本がきちんと清算すべき」と講演したそうです。前原代表の時は中国脅威論を自民党よりも強硬に唱えて見たり、あっちにふらふらこっちにふらふら、この党が本当にやりたいことが何なのかはっきりと見えてこないのは私だけでしょうか。聞こえてくるのは政権交代という声だけですが、この状態では代表が誰になろうとも、その日が来ることはないでしょう。


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参考書籍:
戦争を知らない人のための靖国問題
上坂 冬子
4166604988


新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論
小林 よしのり
434401023X