アメブロさんの文字数の関係で分割せざるを得なかったので

分割してのせます。その1を読んでから、その2読んでください。

長いので、時間が無い方は時間のあるときに読んでみてください。





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「晩ご飯の用意、どうしよう?」
そう思った時に、息子が帰ってきた。


息子「ねえ、お母さん聞いてよ!」

A子「どうしたの?何かいいことあったの?」

息子「C君知ってるでしょ。実は昨日、C君に公園でボールぶつけられたんだ。」

A子「あっ、あー、そうなの。C君って、あなたを一番いじめる子だよね。」

息子「さっき公園から帰ろうとしたらC君が公園に来てさー。
で、『いつもいじめててごめんな』って言ってくれたんだ。」

A子は「そうだったの!」と言いながら、まるで奇跡でも体験しているような気持ちになった。
そして、心から感謝の気持ちが湧いてきたのだった。


A子は、夕食の準備をするより息子と話そうと思い、出前を取った。


出前が届くまでの間、A子は息子に次のようなことを伝えた。

「今まで、あなたのことに口出しをし過ぎてごめんね。これからは、なるべく口やかましくしないように気をつけるからね。
そして、お母さんの助けが必要な時は、いつでも遠慮なく相談してね。
あなたのことを信頼してるからね。」


息子は本当に嬉しそうな顔をして、「わかった、ありがとう」と答えた。

やはり息子は、母親に信頼してもらいたかったのだ。


「今日は、なんか変だなー。いいことが続くなー。」と息子が続けた。

A子も幸せな気持ちになった。


間もなく出前が届いた。

A子「お母さんは、お父さんが帰ってくるのを待つから、先に食べてね。」

息子「えっ?どうしたの?いつもは先に食べるのに。」

A子「今日は、お父さんといっしょに食べたい気分なのよ。
お父さん、お仕事頑張ってくれて、疲れて帰ってくるからね。
一人で冷めた親子丼たべるの、寂しいでしょ。」

息子「じゃー、僕もお父さんといっしょに食べる!三人で食べる方が楽しいでしょ。」

A子「ほんとうにあなたは優しい子ね。お父さんに似たのね。」

息子「なんか変だなー。いつもお父さんのことを、『デリカシーがない』とか言ってるのに。」

A子「そうよね。お母さんが間違ってたのよ。お父さんは、優しくて男らしくてたくましくて、・・・男の中の男よ。」

息子「勉強しないと、お父さんのような仕事くらいしかできなくなっちゃうんでしょ?」

A子「ごめんね、それもお母さんが間違ってたのよ。
お父さんの仕事は立派な仕事。世の中の役に立ってるのよ。
それに、お父さんが働いてくれてるおかげで、こうやってご飯食べたりできるんだからね。お父さんの仕事に感謝しようね。」

息子「お母さん、本当にそう思う?」

A子「うん、思うよ。」

A子がそう言った時の息子の笑顔は、その日で一番嬉しそうな笑顔だった。

子どもは本来、親を尊敬し、親をモデルにして成長する。
A子の言葉は、息子に対して、「お父さんを尊敬してもいいよ」という許可を与えたことになる。
息子はそのことが何よりも嬉しかったのだ。


しばらくして夫が帰って来て、三人で冷めた親子丼を食べた。

自分の帰りを待っていてくれたことが嬉しかったのか、夫も上機嫌だった。

冷めた親子丼を「うまい、うまい」と言いながら食べていた。

夫が風呂に入っている間に、息子が眠りについた。
A子は息子の寝顔を見ながら、心の中で「ありがとう」を唱え始めた。
その言葉の影響なのか、心の底から感謝の気持ちが湧いてきた。

『この子のせいで私は悩まされてると思ってきたけど、この子のおかげで大切なことに気づけた。本当は、この子に導かれたのかもしれない。』

そう思っていると、息子が天使のように見えた。

いつの間にか、涙があふれてきた。
(ほんとに今日は、よく泣く日である)

間もなく電話が鳴った。
出てみるとFAXであった。

母の字で次のようなことが書いてあった。


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A子へ

今日のことお父さんから聞きました。

お父さん、話しながら泣いていました。

お母さんも嬉しくて涙が出ました。

お父さんは、「70年間生きてきて、今日が一番嬉しい日だ」と言っています。

晩ご飯の時に、いつもお酒を飲むお父さんが、

「酒に酔ってしまって、この嬉しい気持ちが味わえんかったらもったいない」と言って、今日はお酒を飲みませんでした。

次は、いつ帰ってきますか。

楽しみにしています。

母より

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「晩酌を欠かしたことがない父が、お酒を飲まなかったなんて。」
自分が伝えた言葉が、父の心をどんなにか幸せな気持ちで満たしたのであろう。

A子の目からは、またもや涙があふれていた。


「どうした?泣いてるのか?」
風呂から出てきた夫が聞いてきた。

A子は、その日起きたことをすべて話した。
朝、B氏に電話をかけたこと。
午前中は、父への恨みつらみを紙に書きなぐったこと。
午後、父に電話して和解したこと。

「そうか、お父さんも泣いてはったか。」

夫も、目に涙を浮かべながら聞いてくれた。

そして、息子がいじめっ子から謝られたこと。

「ふーん、不思議なこともあるもんやな。Bさんのやり方は、俺にはよくわからんけど、
おまえも楽になったみたいでよかったな。」


続けてA子は、泣きながら夫に謝った。

そして夫も、泣きながら聞いたのだった。





次の日、A子はB氏に報告して、心からのお礼を伝えた。

朝一番で夫からも電話を入れていたようだ。

B氏「ご主人からも電話もらいました。お役に立てて何よりです。

あなたの勇気と行動力を尊敬します。

さて、これからが大切です。

毎日、お父さまとご主人と息子さんに対して、心の中で『ありがとうございます』
という言葉を100回ずつ唱える時間を持って下さい。

それから、おすすめの本があります。

後で、何冊か選んで、そのリストをFAXしておきますので、ぜひ買って読んでみて下さい。」
(注:その本のリストは、このレポートの最後のページで紹介します)


その日の夕方のことである。

「ただいま!」元気な声で息子が帰って来た。

「お母さん、聞いて!今日ね、友達から野球に誘われたんだ!今から行ってくるから!」

息子はグローブを持って飛び出していった。

A子の目には、またもや涙がにじんでいた。

声が詰まって、「行ってらっしゃい」の一言が言えなかった。



終わり


























あとがき

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

このレポートのことを誰かに教えてあげたいと思った方は、ぜひ教えてあげてください。

その人の幸せな笑顔を想像して、ぜひ分かち合ってあげてください。

このレポートは、コピーも転送もOKです。

あなたの「与える行動」が、誰かの人生に、和解や許しをもたらすかもしれません。












付録

(おすすめの本)

・「生き方」稲盛和夫 著、サンマーク出版

・「原因と結果の法則」ジェームズ・アレン著、サンマーク出版

・「生きがいの創造」飯田史彦 著、PHP

・「ゆるすということ」ジェラルド・G・ジャンポルスキー、サンマーク出版

・「オーケストラ指揮法」高木善之 著、総合法令

・「幸せ成功力を日増しに高めるEQノート」野口嘉則 著、日本実業出版社