木立朝鮮朝顔 -angel’s trumpet- | 珊瑚と瑪瑙
今
思うと
その頃の自分は
幻を見ていた
違うな
幻を創り上げていたんだ
己と似て否なるもの
そう思い込み
依枝として
それが大事だと
勝手に没入してしまったんだ
でも
其れは違う
そんなものはありはしなかった
さみしさ故の
見当違い
所詮
そんな優しい世界など
在りはしない
自分は
死蝋に問答を求めていたのだ
それだけ
信じたかったのも事実で
結果
遠く
手に入らぬものと
思い知っただけだった
愚かだな
人間らしくあろうなどと
今更

