二口女欲に溺れた女は己が欲故に罪を犯した際頭部に傷を負うてしまうその傷が時を経て傷口が朱唇に骨は歯牙に肉は舌へと変じたそうして形造られたふたつめの口は飢え糧を与えねば痛むようになり苦しさ故遂には己が過ちを吐き捨てるようになったあれはわたしの心得違いでありました其れは心の声やも知れぬ女は悔いて涙するもふたつめの口が黙することも消えることもなかった