欲に溺れた女は
己が欲故に
罪を犯した際
頭部に傷を負うてしまう


その傷が
時を経て


傷口が朱唇に
骨は歯牙に
肉は舌へと

変じた


そうして形造られた
ふたつめの口は
飢え
糧を与えねば痛むようになり

苦しさ故
遂には
己が過ちを吐き捨てるようになった


あれは
わたしの心得違いでありました


其れは
心の声やも知れぬ




女は悔いて涙するも
ふたつめの口が黙することも
消えることもなかった