なんて美しいのだろう


光り輝くのは
逆光を受けた蜉蝣
そしてその先に
わたしの伸ばした手
その手にはわたしの骨

影に遺る
古い夢の噛んだ標


トパーズが白い吐息を通り抜け
祈るように合わせた手から
沢山の星たちが
零れ落ち
溶けてゆく


可愛い雫
なんてものは無く

はらりと落ちる涙さえも
降りはせず
瞼に添えた小さな手は
冷えて乾いたまま




軈て
白金色と
黄金色に縁取られ
彩られた世界に
音も無く沈んでゆく


九月に漂っていた
澱みのような蜉蝣