両の腕で抱えた
愛
とかいうもの
あなたの腕は
もう麻痺しているのに
崩れる砂の城のように
風化してゆく
それ
を
後生に抱え続けることはないよ
ねえ
あなたは街を出てゆく
わたしを残したまま
でも
ただの一度でいいから
砂糖菓子のような幸せを
一粒だけ
落として欲しいと思った
それは
我儘な願い
本当は
誰よりも
あなたの夢が叶うことを祈っていて
わたしも
その隣で幸せになれたなら
そう願っていた
わたしの足元に積もる
想いの骸
は
わたしが腕に抱いて
海へと帰すよ
夜毎に
星を映して
軈て
黙り込んで
ひとつの
閑かな惑星
に
なれるように
