罪を隠すため
狐は手袋をはめる

最初は寒さを凌ぐ為だった

しかし
手袋をはめれば
狐ということを悟られぬ
と知る

齢を重ねた狐は
手袋の中に身を隠すことさえ
覚えてしまう


そうやって
狐は
世の常から外れ
妖に近付く


人の心を助けるかのように
囁き
破滅へと誘う

狐は
手袋をはめたとき
潜んでいた毒に 
侵されてしまったのかもしれない



人は哀れ
狐も哀れ

花は佇むのみ