朝起きると床が天井にあった
まるで平行世界と現実が交わったかのように
空には車が走り、地面を飛行機が飛ぶ
どうしてなのか
だとしたら僕は何処にいるというんだろうか
僕は気付いた
何も無いはずの床という名の天井がその時まさに表裏一体となり暗転し、はたまた水面のような1枚の境界が出来たことに
僕の眼下には空が広がり、やはり車が走っている
僕の眼下には地面が広がり、やはり飛行機が飛んでいる
僕の眼下にはそう、僕がいた
これは何だろうか
僕を中心にして地球の裏と表がひっくり返ったみたいだ
では地球の裏側は平行世界だというのだろうか
プレートは? マントルは?
妙に冷静な僕は物理的疑問を僕に問い掛ける
当然自問自答じゃない
僕の眼下の僕だ
僕は答えない
しばらく待っても僕は応えない
応えない僕に答えは無い
つまりはここが行き着くとこの終着点というわけだ
終わったのだ
世界の終わりは消滅ではなかった
表と裏が繋がり混沌を生み出し調和を乱した
秩序は破られ均衡も崩れた
ここにいるのは僕と僕だけ
さあ眠ろう
次に起きるのはどっちの僕だろう
そして次に目を覚ました僕が全ての始まりとなる
終わりの始まりが終わる
始まりの終わりが始まる