末期の横溝正史原作のカドカワ映画です。YouTubeで無料配信をしていたので見てみました。公開当時、ビートルズの「レット・イット・ビー」の楽曲を使いながら、キャッチコピーが「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい」でした。
鵺って、鳥類なのかと思ったら、いろいろな動物を合成した妖怪のことでもあるらしい。平家物語にその姿の記載があるとのことで、猿の顔に狸の胴、虎の手足に尻尾がヘビと紹介されている。一種のUMAであるが、小説家の荒俣宏氏は、大型化したレッサーパンダではないかと推理している。
鳥類の説では、不気味な鳴き声でトラツグミではないかという説がある。当作の鵺も、鳥類の鳴き声とされている。
当作だけど、過去の横溝作品のごった煮という印象を受けた。
舞台が瀬戸内海の孤島=獄門島。双子と洞窟に死体がある=八墓村。どれも、設定に既視感がある。
当作では金田一探偵を鹿賀丈史が演じている。トボケた味が原作に近いと思うが、映画版では、やっぱり金田一=石坂浩二で固定されてしまったようだ。
個人的には映画監督としてイメージの強い伊丹十三が俳優として出演しているのが懐かしかった。
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